「THE JACET」(2006/監:J・メイブリー/制:S・ソーダバーグ/E・ブロディ/K・ナイトレイ)
■評価:幻想映画としてはなかなか面白い。
科学性を無視しているがSFではないのであまり気にならない。
主役のE・ブロディ、「戦場のピアニスト」「キングコング」そしてこの「ジャケット」と観てきたが、
どこか不思議な雰囲気がある。
痩せて華奢、そうハンサムではないが、インテリジェンスな感じで好感が持てる。
美女にもてる役どころが多く、アメリカのニュー・セックスシンボルか。(まさか)
いずれにしろ、無力なものが過酷な状況を克服していく展開には
ぴったりの俳優だな。(:いちおうアカデミー主演男優賞受賞者だし)
でもってこの映画に必要不可欠なのがキーナ・ナイトレイ、彼女の登場で暗くじめじめした内容を
一転、華やかなものにしている。
(ちなみにキーナのようなバタ臭い美女はおれの好みである←関係なし(つД`)ぁぅ)
お話は、湾岸戦争の兵士ジャッククスが頭を負傷するところから始まる。
記憶喪失となっているところに警官殺しの罪で逮捕、医療施設に収容後される。
そこの医者(役のC・クリストファーソンは好きだ)が極悪で、自分の研究のために
患者を臨床実験に使っている。
(:日本でも慈恵医科大病院にいたな、テキストを片手に患者の身体を切り裂いていた悪魔が)
逆らったジャックスは拘束衣(ジャケット)を着せられロッカーに放り込まれる―――するとなぜか
タイムスリップして未来へ行くのである。
そこで美しいウエートレスと出会い、自分が4日以内に死ぬことが分かる、という内容。
最初はスタローンの「ランボー」で、とちゅうから「Jコム・ラダー」になり、ときどき
「フィラデルフィア・エクスペリメンツ」になるというごちゃ混ぜ映画。
でも、どうなっちゃうんだ?って最後までハラハラしていっきに観られる。
虐げられていた善人が美女と結ばれてハッピーエンド、というのもホッとして胸を撫で下ろせる。
題名と内容が不一致という気もするが、
小雨の降る休日の午後に、コーヒーしながら観る分にはちょうどいい面白さだろう。
最近、有名俳優が制作にたずさわることが多いが、この映画もJ・クルーニーが担当している。
前出の「RENT」はR・デニーロだった。
もっとも彼らが出しているのは“口”ではなく“金”だけだろうが、
最後がハッピーエンドというのも共通している。