夢を見た。
オールカラーで、あまりにもリアルな夢だった。
なので細部にわたってよく覚えている。
食事会か、誰かのパーティでおれはホテルに来ている。
着替え室で椅子にすわってドレススーツに着替えながら
同じように着替えている友人と雑談しているんだ。
げらげらと笑いながら。
するとそこに女が入ってくる。
おれが秘密裏に付き合っている女だ。(現実の話ではないよ!
美しい女だが表情が暗い。
髪が長く、こげ茶のワンピースの上に黒いジャケットを着て、かかとのたかいパンプスをはいている。
友人の顔色がさっと変わる。
男たちが着替えているのに入ってくるとは
かなり動揺しているからだと気づく。
「話があるの」と彼女がおれに言う。
「こんなところにきてはまづいだろう」とおれは顔をしかめてささやく。
「待てないのよ」と彼女は混乱気味に言う。
「話はあとだ」とおれは着替えを急ぐ。
「どこで待てばいいの。あとどれくらい待てばいいの」と彼女が言う。
すると友人が
「きみ、きみはここにくるべきじゃない」と女に言い、
おれをにらんで
「○○がいるのに、まだこの女と付き合っているのか」と怒っている。
「ほらみろ」とおれはあきれて部屋を出ていく。
すると彼女が追いかけてくる。
「ごめんなさい、あの人には何も言わせないから。
あなたの恋人にはばれないようにするから心配しないで」
と泣きながら言う。
「どうやって?」とおれは彼女を突き放して会場に行く。
一瞬、悪い予感がしたが、まさかな、とパーティ会場に入っていく。
しかし
時間が経っても会場に友人が来ない。
おれは不安が心にひろがっていく。
そしてテーブルを離れ、いそいで着替え室に戻るんだ。
ドアを開けると室内はなんとも荒れた状態で
服が散らばっている中に友人が血まみれで倒れている。
おれは焦って駆け寄るが、すでに息絶えているんだ。
その横で、彼女がぼーぜんと突っ立ている。
返り血を浴びて、手にちのついたナイフを持っていて……
「なんてことをしたんだ」
「だって、だって……」
あああ、とおれは絶望してひざをつく。
さっき、悪い予感がしたとき、止めるべきだった。
混乱しているからバカなことをするかもしれない、と思ったとき、どうして止めなかったのか。
深く深く絶望する。
そして思うのだ。
あああ、これで一生この女の面倒を見なければならない。
刑務所に入ったら、ひたすら出てくるのを待たなければならない。
ああ、ちくしょう。
これでおれはこの女にとらわれてしまった。
気が重い
気が重い……
で、目が覚めた。
夢でよかったとつくづく思ったのは、ご察しの通りです。
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