今週観た映画です。
今回は邦画も入っておりますよ。
「隠された記憶」(2006フランス映画/監:M・ハネケ/主:D・オトゥイーユ)
■評価:まあまあ。だが結果(犯人は誰か)を観客に委ねるのは反則
「ピアニスト」のM・ハネケ監督によるサスペンス。
美しい妻子と満ち足りた生活を送る人気キャスター・ジョルジュのもとに、
送り主不明のビデオテープが送られてくる。
殺人を意図するような不気味な絵とともに……という話。
サスペンスなのに最後まで犯人は出てこない。誰が犯人なのかわからない。
でもって特典で監督さんがのうのうと
「犯人は観客が自分で勝手に思い描いて下さい」と言っている。
そのわりに手がかりなしで、なんのこっちゃと欲求不満の残る映画だ。
カンヌだかなにかの最高賞を得ているようだが、おれ的にはもの足らない。
まあ、知性派映画と称している作品はたいてい出来損ないをごまかしているに過ぎない
のだ。
哲学性は映画に溶け込ませるものでテーマにすべきものではない。
主演が名優D・オトゥィーユとJ・ビノッシュだっただけに、監督が妙なこだわりを棄てたら
もっと良質の映画になっていただろう。
「GEAR」(2006/監:/主:H・ホッグス)
■評価:「セブン」と「ソウ」を真似たようなB級サスペンス
正体不明の殺し屋に追われる男の恐怖を描いたアクションスリラー。
ギャングのトルーマンが謎の殺し屋に襲われ、その1ヵ月後にボスの甥が誘拐される。
誘拐した殺し屋の狙いはトルーマン自身であった―――
やたらと銃を撃ちすぎ。あれだけR・ルーレットやっても死なないのはなぜ?
ご都合主義の予定調和、ゆえにあくびの連発。
それでも最後まで観られたのは殺し屋(サイコやろう)の心理が面白かったから。
「デスノートThe Last Name」(2006/監:中原修介/主:藤原竜也)
■評価:10代向き漫画映画、25歳を越えたら観るのが辛い
この漫画、おれは一度も読んだことがなく(:おれの回りも読んだことのない連中ばかりで、
“数千万の売れ行き”という宣伝には疑問がある)新聞で予告編を見て、観にいった。
前編はそれなりに意外性があり面白かったが、後編は全く幼稚になり、論理も破綻している。
とくにあのガイコツ女(:ミサとかいう女)は不要。この女の存在が映画をお子ちゃま漫画、
もしくは少女漫画にしてしまった。(しかも殺人の確信犯なのに罪を問われていない)。
加賀丈史・藤原竜也の熱演ぶりも、映画の杜撰さををごまかすことはできなかった。
前編が良かった(:松山ケンイチの透明な演技が面白かった)だけに、
この後編が荒唐無稽な漫画になってしまったことが残念だ。
「デッドマン・コーリング」(2006/監/主:A・ヘッシュ)
■評価:観る価値なし、時間のムダ
女弁護士が、ある日を境に死んだ女が見えるようになる。なぜ自分にだけ見えるのか、
死んだ女は何を言いたいのか……という展開。
話は平凡、ホラーでありながら怖さのかけらもなく、演技もイマイチ。
開始30分で熟睡。カビの生えたような映画です。