ネコ好きSENの洋画ファン

ワン5ニャン9と共棲。趣味は洋画と絵画。ライフワークは動物・野生動物の保護救済、金融投資。保護シェルターの設立をめざす

今週観た映画です★(映画館+DVD)

2006-11-26 22:59:19 | 大好き★洋画いろいろ


今週観た映画です。
今回は邦画も入っておりますよ。


「隠された記憶」(2006フランス映画/監:M・ハネケ/主:D・オトゥイーユ)
■評価:まあまあ。だが結果(犯人は誰か)を観客に委ねるのは反則

「ピアニスト」のM・ハネケ監督によるサスペンス。
美しい妻子と満ち足りた生活を送る人気キャスター・ジョルジュのもとに、
送り主不明のビデオテープが送られてくる。
殺人を意図するような不気味な絵とともに……という話。
サスペンスなのに最後まで犯人は出てこない。誰が犯人なのかわからない。
でもって特典で監督さんがのうのうと
「犯人は観客が自分で勝手に思い描いて下さい」と言っている。
そのわりに手がかりなしで、なんのこっちゃと欲求不満の残る映画だ。

カンヌだかなにかの最高賞を得ているようだが、おれ的にはもの足らない。
まあ、知性派映画と称している作品はたいてい出来損ないをごまかしているに過ぎない
のだ。
哲学性は映画に溶け込ませるものでテーマにすべきものではない。
主演が名優D・オトゥィーユとJ・ビノッシュだっただけに、監督が妙なこだわりを棄てたら
もっと良質の映画になっていただろう。


「GEAR」(2006/監:/主:H・ホッグス)
■評価:「セブン」と「ソウ」を真似たようなB級サスペンス

正体不明の殺し屋に追われる男の恐怖を描いたアクションスリラー。
ギャングのトルーマンが謎の殺し屋に襲われ、その1ヵ月後にボスの甥が誘拐される。
誘拐した殺し屋の狙いはトルーマン自身であった―――

やたらと銃を撃ちすぎ。あれだけR・ルーレットやっても死なないのはなぜ?
ご都合主義の予定調和、ゆえにあくびの連発。
それでも最後まで観られたのは殺し屋(サイコやろう)の心理が面白かったから。


「デスノートThe Last Name」(2006/監:中原修介/主:藤原竜也)
■評価:10代向き漫画映画、25歳を越えたら観るのが辛い

この漫画、おれは一度も読んだことがなく(:おれの回りも読んだことのない連中ばかりで、
“数千万の売れ行き”という宣伝には疑問がある)新聞で予告編を見て、観にいった。

前編はそれなりに意外性があり面白かったが、後編は全く幼稚になり、論理も破綻している。
とくにあのガイコツ女(:ミサとかいう女)は不要。この女の存在が映画をお子ちゃま漫画、
もしくは少女漫画にしてしまった。(しかも殺人の確信犯なのに罪を問われていない)。 
加賀丈史・藤原竜也の熱演ぶりも、映画の杜撰さををごまかすことはできなかった。
前編が良かった(:松山ケンイチの透明な演技が面白かった)だけに、
この後編が荒唐無稽な漫画になってしまったことが残念だ。


「デッドマン・コーリング」(2006/監/主:A・ヘッシュ)
■評価:観る価値なし、時間のムダ

女弁護士が、ある日を境に死んだ女が見えるようになる。なぜ自分にだけ見えるのか、
死んだ女は何を言いたいのか……という展開。
話は平凡、ホラーでありながら怖さのかけらもなく、演技もイマイチ。
開始30分で熟睡。カビの生えたような映画です。

見えないが確かに存在するもの~「エミリー・ローズ」&「奇談」

2006-11-21 23:41:13 | 大好き★洋画いろいろ


「エミリー・ローズ」(2006/監:S・デリクソン/主:T・ウィルキンソン)
■評価:良くできている。オカルティックな恐怖映画というより法廷シーンが多い。
    でもこわいこわい。(こわいんで画像なし)

この手の映画(:エクソシズム)は苦手です。こわすぎて観られません。
法廷シーンが多いということで気を許したのがいけなかった―――充分こわいじゃないか!
しかしながら現在書いている小説の参考にするため、こわいところは目をつぶりながら
観ました。(胃がッ、胃が!)

映画的には構成・脚本と良くできている。主役の神父がトム・ウィルキンソンというイギリスの
名俳優で(おれも「フル・モンティ」で大好きになった)、近年ハリウッドに進出して、
アカデミー賞にもノミネートされた演技派。今回も奇想天外になりそうなテーマを熱のこもった
演技でしっかりと地に足をつけさせている。
題名にもなったエミリーを演じたもうひとりの主役、ローラ・リニーの演技も秀逸だ。
けっして美人とは言えないが、監督が彼女を使った理由はよくわかる。
観ているものを圧倒し、恐怖のどん底にたたきつけるからだ。

また、キャリア重視でいけすかない感じの女弁護士も、観ているうちに、その理論的な思考力と
行動力に共感をおぼえてくる。
そして最後、なぜこうなったか、なぜ19歳の若さで彼女が死に至らなければ
ならなかったのか―――それがわかったとき、「ああ、なるほど、そういうことか」と納得できる。
キリスト教国ではないし、神秘主義的なことを扱っているが、「それも有り得る」と思わせるのは、
この映画の科学的な(あるいは医学的な)側面、法廷での理論的な弁証法がみごとに整合し、
結論に導くことに成功しているからだろう。

面白いし、観ることを勧めたいが、こわいです。
夜ひとりで寝る人はこわくて眠れなくなっちゃうから観ない方がいいかも。
でもエミリー、かわいそう、そんな映画です。

(そういえば「オードリー・ローズ」というオカルト映画もありましたな。。。)



「奇談」(2006/監:小松隆志/主:阿部寛)
■評価:あまり勧めません

大好きな諸星大二郎の「生命の木」が原作だと言うことで、期待してみたが、
予想通りの日本映画的低コスト、中途半端な作品だった。
脚本が原作をこなしきれなかったというか、もっと金をかけないと映像はムリだろう。
人身御供になった子供、そこから帰ってきた子、とテーマは面白いのに、
過去の忌む出来事をすべて語るだけ、わけのわからない村人たちの話だけで終わらせ、
教会や最後の洞穴のセットも稚拙。
これはテレビ版かよと思うくらい安手の内容&安手の映画でした。

おどろおどろしい雰囲気(:どこか犬神家の一族に近いものがある)は、けっこう楽しめたが、
なぜ主人公を女にしたのか?? 「どろろ」もそう、主人公を安直に女性に変えてしまうのは
おれは好きじゃないなあ。

この映画、はっきり言って諸星ファンしか観ないのではないかな。
で、諸星ファンが観てがっかりするか。(笑)
まあ、オカルティックな雰囲気が楽しめ、最後の「生命の実を食べた者」が旅立つシーンも
なかなか迫力があり。でもそれだけ。日本の隠れキリスト(キリシタン)の扱い方もぞんざいで、
もう少し掘り下げたアレンジor演出をして欲しかった。

明日の見えない、若さゆえの痛み~「RENT」

2006-11-19 14:26:41 | 大好き★洋画いろいろ


2006/監:C・コロンブス/制作:R・デニーロ
評価:好きずき 夢に挑戦している人は観ても面白い

この映画、ブロードウェイミュージカルを「ハリー・ポッター1&2」のクリス・コロンバスが映画化したもの。マンハッタンを舞台に、愛と成功を求めて必死に生きる若者たちの姿が多彩なジャンルの歌で綴られていく、という話。

ミュージカルは苦手という人は多いだろうが、おれはそんなに嫌いな方ではない、かな。
以前はよく舞台を観にいった。「ラフォーレなんとか」や「ロッキー・ホラー・ショー」も観た。
去年はヒトラー政権下の男たちのミュージカル「BENT」か。
だが「劇団四季」や「宝塚」は行ったことがないし、これからも行かないだろう。

ところでこの映画、
はじめはいかれたジャンキーどもの開き直り映画かと思ったが
家賃を払えず仕事を必死で探す姿やエイズとの闘い、やがては死んでいく仲間たち。
シリアスでリアルで、だんだんと内容に引き込まれていく。
とくにストリップバーで働いているミミがセクシーで可愛い。
その彼女もエイズに冒されていて、麻薬中毒なのだ。

物語の展開は―――やはりね、うまいよね。監督がいいのかな。(C・コロンバン)
とくにおれのような夢に挑戦してはことごとく跳ね返されている人間には(……涙)
かれらの姿に自分を重ねたりして、胸がジーンと熱くなってくる。
セリフもいいし、セッティングもストーリーの流れにもムダがない。

女たちは出し惜しみしないし、偉ぶらないし、素直で可愛い。
途方に暮れる世界で自分の夢を求める男たちにはなくてはならない存在だな。
そして悩みながら傷つきながらも、最後は自分を見つめるときが来る。

とくに気に入ったのはこの歌詞です。
どうぞ、堪能して下さい。


深く息を吸うな 一日中考え込むな
仕事に打ち込み 長いものに巻かれろ
小さな心の傷も 大きな不名誉も忘れろ くよくよ悩まず気楽に生きろ
ここはアメリカ 21世紀も目前
この国で生きるなら良心を捨て去れ

この国の人間は 財産で人を決める
肩肘を張り 歯を食いしばれ 流されたらそのままおぼれるだけ
21世紀は目前 きみはこの国の住人
アメリカはトワイライトゾーン
この国の人間は 財産で人を決める

ぼくは創造せず、自分をごまかしながら
感情を殺してうわべで生きる

あの頃は何が特別だったのか
冷めた世界で心が通じ合った
苦労よりも希望が大きかった
自分を偽ってなかった

エンジェル、そうか、ぼくは自分を偽っていなかった
みんな ぼくを偽善者と呼べ
回りに流されず 自分の夢を追いかけるんだ

偽りをやめたとき
きみはひとりじゃない
ぼくはひとりじゃない

ひとりじゃない

土日いっきに観たDVD

2006-11-15 23:37:37 | 大好き★洋画いろいろ


■「スクール・オブ・ロック」(2005/監:R・リンクレイター/主:J・ブラック)
 評価:★★★ 好きずき

バンド成功の夢を捨て切れない30過ぎの男、これが勉強しか知らない子供らに
ロックを熱く語るというセッティングが面白い。
主役のJ・ブラック、「ハイ・フィディりティ」(←所有してます)のレコード屋の店員が
そのままこっちの映画の主役になったみたいで楽しい。あの役はキョーレツだったものね。
「スクール~」でぼくがとくにいいと思ったところ、
「音楽はクラシックだけ、子供は勉強しろ」という父親に説教されて
大好きなギターを弾けないでいる生徒がいる。
主人公デューイがその子にいう。
「いじめっ子に負けるな! おまえは自分の好きなことをやれ」
「だめだよ、ぼくなんかなにもできないよ……」
「おれは三十を過ぎているが、十歳のおまえのほうがうまい! おまえは天才だ!」
そして「おれをいじめっ子だと思って言い返してみろ」
「なんて言うの?」
「失せろ! てめえなんかとっとと失せろ!」
「失せろ……」
「もっと大きな声で!」
「失せろ……てめえなんか失せろ……」
「もっと!もっと!」
「失せろ! てめえなんか失せやがれ!!」
「そうだ、それでいい!!」

最後のコンサートもよかった。
イギリスに「ブラス!」という似た設定の音楽映画があるが
こっちはロックだ! ハートを熱くぎんぎんに揺らしてくれるぜ!

ストーリーは、まあ、ちょっとご都合主義だけど、
最後まで笑えるし、なにより音楽がグッド♪
そして何より、好きなことをしているときが人間いちばん輝いているのだ★



■「ギルティ」(2005/スェーデン映画)
 評価:★☆ 展開が遅くて眠くなる

ホロコーストで家族を殺された者がナチスドイツの残党を殺していく話。
ドキュメント映画という感じでエンターティンメント性ゼロ。
相手役の女があっちの感度が悪そう(FREESEXのスェーデンなのに!?)でイマイチだった。



■「エコーズ」(2005/監:D・コープ/主:K・ベーコン)
 評価:★★☆ じっくりしたシリアス調の映画が好きな人にはいいかも

平凡な生活を送っていた男が催眠術をかけられ、白昼夢に苛まれるようになる。
その映像は未知を予言し……
ケビン・ベーコンは演技派で好きなのだが、この作品はちょっと脚本が悪くて
迫力もなく面白さに欠ける。俳優がいいだけにもったいない感じだ。


■「ドッジボール」(2005/監:R・マーシャル/主:B・ステイラー)
 評価:★ あまり勧めない 

これもスポーツサクセス物語。
貼り合わせのご都合主義で、コメディとしても不発。
楽しかったのは悪役の男(B・ステイラー)!
顔や身体でこっちが笑いこけるほどの演技が出来るなんて、今後もちょっと注目かな。



■「666: The Child
(2006/監:J・ジャクソン/主:B・B・スチュワート)
 評価:ゼロ 観るのも時間のムダ

 G・ペックの第一作目「オーメン」が好きだったので期待して観たのだが
 内容・脚本・ストーリー展開すべて三流。観る価値なし。

どんな状況でも生きるという希望「WORLD TRADE CENTER」

2006-11-01 00:50:34 | 大好き★洋画いろいろ


今週はオリバー・ストーン監督の「ワールド・トレード・センター」を観た。
一口に言って、
生きる気力を失いつつある人、観た方がいいぞ。(←変な言い方かな?)
今、連鎖的に自殺が目立っているが、
この映画は、どんな状況でもぜったいに諦めない男たちの話だ。
足を失おうが半身不随になろうが、とにかく生きる!
家族のため友人のため、なにより自分のために、そんな物語。

おれの場合、たいてい内容を確認しないで観るので(:題名と監督、主演俳優くらいか)
今回は題名「W・T・C」からして、
ド~ンと飛行機が突っ込み、めらめらとタワーが燃え上がって
人々の悲鳴、混乱、そして消防士や警察、ヒーローたちの涙ながらの人命救助、
最後はハリウッドらしくドドド~~ンと崩落、寸前に主人公が助かる、
という展開だと思っていた―――が
ぜんぜんちが~~~う!!!!!

主演のN・ケイジは上映の二時間ずっと瓦礫に埋まりっぱなし、
飛行機の突っ込むシーンもなければヒーローたちの派手さもない。
たんたんと
瓦礫に埋もれた警察官が救助されるまでのタンタン映画です。

まあ、映像はすごく美しい。
美術部門はグランドゼロを再現するのにそうとう金も時間もかけている。
また、O・ストーン監督といえば名作「プラトーン」を期待するが、
この作品はどちらかと言えば「7月4日に生まれて」に近い。
が、政治色はまったくなく、ヒューマン映画と言うべきか。

そしておれは思うのだが
人間の生きる意志というのは「自分への、あるいは他者への想い」なのだ。
「夢がある」
「やりたいことがある」
「逢いたい人がいる」
「言葉を交わしたい相手がいる」
「かわいいペットがいる」
なんでもいい、
「生きる意志」とは「心の想い」なのだ。
その「想い」が、地獄のような過酷な状況で互いを助け合う強さになるのだと
おれは思うのである。ぺんぺけぺん。

そういうことをおしえてくれる心優しい映画だった。