高齢者がだまされる「振り込め詐欺」
なんでだまされるの?
あれほどテレビで注意しているし
銀行員だっても注意しているし、
なのに、どうしてだまされるのだろう??
どうして、声をかけてくれる行員を無視してまで、振り込んでしまうのだろう。
なぜ???
なぜだ????
と
みなさんも考えになったことはありませんか?
わたしはテレビニュースで見るたびに頭をひねっていました。
そして、ふと思ったのですが
もしかしたら
こういったプロセスがあったのではないでしょうか。
■要素
要素1:
相手が自分のお気に入りである。
電話の相手がお孫さんだったり
息子(娘)さんだったり
フェボレイト(好意的)な印象が、つねに心、もしくは頭の中ににある
要素2:
気に入っている相手の言葉を疑わない。
疑わない自分でいることが心地よい
相手の言葉が耳に残る
相手からかけられた複数の言葉が互いに絡み合って残っている
その中の特に際立ったワードが、大きくなり、複数のコトバの中でとくに浮かびあがっている。
たとえば
「ぼく(ぼくら)の邪魔をする」もしくは「(ぼくらの)邪魔をされたくない」
「ぼくらを離そうとする」もしくは「ぼくはあなたから離れたくない」
「ぼくは~したいんだ」
「ぼくは(あなたに)~してほしいんだ」
これらのキィワードは、一見無害で、日常的に使われたりもするが
かなり危険である。
■内的状況
あなたはフェボレイトな相手から「困った相談」をされる。
たとえば
「会社の金を落としてしまった、どうしょう。クビになる、へたしたら刑務所行きだ、前科者になってしまう」
「他人の女をはらませてしまった。女の夫から脅されている。殺されるかもしれない」
あなたは驚き、混乱し、頭の中で次の言葉が駆けめぐる
会社の金を落とした? → クビになるの、警察に捕まるの(それはかわいそう)
他人の女を孕ませた? → 殺される(なんとか助けなくては)
混乱した頭脳が行きつく先→ わたしならなんとかできるなら、わたしがなんとかしたい。
その時の心理→ 金で助けられるなら助けたい。金額なんか問題じゃない
そして決めが
「何日までに」
「今日の何時までに」
である。
そしてあなたは混乱する。
「ぼくらの邪魔をする(第三者を悪く言う)」
「何時まで(という時間的制約)」
この2つは最悪のキーワードです。
そして
あなたは混乱したまま銀行に走る
←銀行員が「振り込め詐欺ではないか?」と注意する
邪魔されたくない、時間がない(聞こえているのだが耳に入らない
←友人が「ねんのため息子(娘)さんに確かめたら?」という
邪魔されたくない、時間がない(聞こえているのだが耳に入らない
息子(娘)の言葉だけが真実に思える。(疑わない、裏切れない
その他の言葉が耳に入らない、聞こえているのだが邪魔されているように思える。
もしくは、価値のないことに思えてしまう。
自分の行動こそが善だと、正しいと思い込んでしまう。
けれど、行動の中に
脳裏のどこかに「もしかして?」と疑念がわく瞬間がある。←正気の点滅
けれど「いや、裏切れない。裏切ってはいけない」とかき消される。←点滅が消される
「邪魔されたくない」
「時間がない、(あの子を)裏切れない」
この強調ワードにのみ支配されてしまう。
さて、どうすればこの混乱から回復できるのか
リモートコントロールされているような行為をやめさせることができるのか
言っても聞かない相手にはそれなりの拘束が必要である。
■身体を張っての阻止
1.財布を奪う
2.電話を奪う
強制して行動をいったん止めさせること
そして相手(根源)から切り離すことである
頭が混乱している相手に「言っても」きくわけがない
電話で話しているなら、あなたが電話に出る
財布やカードを隠す、わたさない
■問題から遠ざける
一連の行動の主役を、強制的に、置き換えさせることである
行動を止め、問題から切り離すことである。
「わたしが代わりに振り込みますから」
「その電話にはわたしが代わりに出ますから」
そう言い聞かせて(嘘でもいい
いったん、問題から解放してあげることである
「裏切りではない」と思わせる
「代わりに解決してあげているのだ」と思わせる