ネコ好きSENの洋画ファン

ワン5ニャン9と共棲。趣味は洋画と絵画。ライフワークは動物・野生動物の保護救済、金融投資。保護シェルターの設立をめざす

不定期連載小説・その2

2013-02-20 12:50:03 | 小説はいかがでしょう★

 

 

 

 

不定期連載小説・その2

 

 

 

「寮母の鈴木さんだ、彼女が部屋に案内してくれる。荷物を置いたら、書類を持ってわたしの部屋にきなさい」

ぼくが降りると車は車庫のほうに向かって動きだし、にこにこ顔の寮母が前にきた。

 

「こんにちは、はじめまして。森瀬くんだったわね。わたしのことは校長先生から聞きましたでしょう」

「はい、よろしくお願いします」

「それじゃ、まずお部屋ね」

 

彼女は荷物を手伝おうとしたけれど、ぼくはそれを断って自分で持った。

「とりあえずレディファーストってわけ?」寮母はくすくす笑った。「それにしても大きなカバンね。ずいぶんと勉強家なのね」

「いえ、あの、ぜんぶ服です。そうそう洗いに出せないと思って、着替えをたっぷり」

「おしゃれさんね?」

ぼくは愛想笑いを浮かべた。笑いたくなかったけど、なんとか楽しい雰囲気を作ろうとしている彼女の気持ちをくんで。

 

並んだり、前後ろになったりして、校舎の横を歩いていく。

溶け落ちた雪から芝生の緑が顔を出し、踏みならされた道はだいぶ歩きやすい。

今日は休日だけど学校に残っている生徒が多いということかな。

敷地はどこも塀が張り巡らしていて、もう逃げだせない、ここにいるしかない。

どっちにしろ、ぼくにはいくところがない。

 

「校長が自分で迎えに行くなんて信じられないわ。あなたは特別待遇なのね」

「さっきの人? あの人が校長先生だったのですか」

嫌そうな顔をされなかっただけましか。

「特別待遇だなんてとんでもない。ぼくの後見人がこの学校の出身で、校長と知り合いなのだそうです」

「あら、そうだったの」

「知り合いといっても校長先生にとっては、なぜ、自分が、という気持ちだったかもしれません。

彼の在校中、校長は教師だったそうですが、習ったこともなければ口をきいたこともないそうで」

 

 ぼくをどこかに預けたくて、引き出しから名刺入れを取り出しては片っ端から電話をかけていた彼の姿が思い浮かんだ。

「わずかなつてを頼りに、ぼくを預かってくれるならどこでもーーー」

「ええっ?」

「ぼくにとって最良の環境だということで」

 

前近代の遺物のような寮にあがりつつ、階段はきしみ、廊下はすき間風にさらされている。

火のついたマッチを落としたら、あっという間に全焼するかも。

 

シャワー室、レストリーム、あれだこれだと案内され、

細胞よろしく同じサイズのドアが続き、ようやく目的の部屋にはいると、ベッドが二つ、左右におかれている。

それぞれの壁に机があり、小さな棚がついている。

「あら、ミッチィは図書館かしら。今週も家には帰っていないはずだから」

「相部屋の人?」

「そう、すごくかわいくて、この学校のアイドルみたいな子よ。でも」

寮母はぼくを見つめた。

「あなたもいい勝負ね」

「なにが?」

「きっと上級生が騒ぐわ。ミッチイ目当てに忍び込んでくる上級生が絶えないけど

あなたもそうなりそうね。やれやれだわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


小説のためし書き

2013-02-15 12:18:26 | 小説はいかがでしょう★

 

 

みなさん、いかがお過ごしですか?

わたすの引越しが決まりました。

3月1日です。(by 引越しのサカイ

 

まだ2週間もあるのか!!!????

果てしなき遠いぞ!!!!

 

この暮らしはいやだ!!!

なにもないのだ!!!!

パソコンはつながってない(スマホのみ

気軽に呼び出せる友達もいない!!

映画館もない!!!!

ラウンジもない!!!!

じじじじじ、地獄だああああああああ!!!!

 

てなわけで、

小説もかけない状況でして

時間を見つけてノートに書いてます。。。

 

 

 

 

新作小説・

 

 

澄み切った青空の下、ぼくはひとり森の中を歩いている。

常緑の葉にうっすらと雪を乗せた木々、枝が揺れ、鳥の羽ばたく音がした。

鳥はいいなあ、好きな場所に飛んでいけて。

ため息とともに吐いた息は白く、振り返ると、歩いてきたとおりに足跡がついている。

二日酔いの男みたいにぐねぐねと曲がっていたり、斜めになったり、山なりになったり

まさに今のぼくの心境どおりだ。

いやいや歩いている、無意識の意思表示かな。

 

その向こうに車の通る街道があり、街があるのだけど、ここからは見えない。

背の高い木々が壁のようにそびえたっている。

まるで汚れきった俗世界から切り離そうとしているみたいに。

 

遠くからでも見えてくる、古きよき伝統につつまれた建物。

目的物を射程において近づいていくと、ぼくが来るのを待ち構えているのか、正門が開いている。

石造りの壁、格子柄のように並んだ窓、なんだか二十世紀の収容所みたい。

敷地は広く、正面は緑の芝に包まれている。

ぼくは頭の中で思い描いたーーー裏手に中庭があってグラウンドがあって、その向こう側は鉄格子になっているのかも。

 

逃げようとした学生たちは次々につかまり、地下の拷問部屋へと連行される。

 

 

いきなりクラクションが鳴った。

振り返ると、停めた車の窓から男が顔を出している。

よく撫で付けられた銀髪、深いしわの入った顔、驚いたような表情でぼくを見ている。

 

「森瀬くんか?」

 

ぼくはうなずいた。

相手には見えなかったのか、同じ表情を向けたまま返事を待っているようだ。

だから、「はい、そうです」と大声で答えた。

 

「ここまで歩いてきたのか?」

「ええ、ところどころに矢印の案内板が立っていたので迷うこともなく」

 

相手は、やれやれ、という顔になり、車に乗るようにと言った。

ぼくが建物を指差すと、老人はくびをふった。

「目の前だが、この歳になると、わずかな距離でも雪の中を歩くのはつらくてな。

できるだけ機械に頼ろうとする」

 

ぼくは帽子と、コートの雪を払ってから後部座席に乗り込んだ。

かび臭いにおいがしたけど、革シートのせいで、老年の運転手のせいじゃないだろう。

 

「立石くんから電話があって、きみが歩いていくようだから、迎えにいってやってくれと頼まれた」

「ありがとうございます。車道でなく、森の中を歩いてきたのでーーーわざわざ申し訳ありません」

「それはいいが、まあ、ふつうは保護者が同伴するのだが」

「ぼくが一人で行くといったのです。彼の付き添いはいりません」

「つまりは、けんかをしたと?」

 

ぼくは肩をすくめた。

男は笑ったようにも見えたけど、この席では顔が見えず、動き出した車に窓の外を向いた。

 

「心配することはない、ここはいいところだ。すぐに友達ができる」

穏やかな声で老人がいい、ぼくは、愛想のいい返事をしたけれど

胸の中では、棄てられたのさ、と思っていた。

 

いいさ、棄てられることには慣れてる。

両親もぼくを棄てた。

母はーーーそう、まず母がぼくと父を棄てた。

 

母が飲んだくれの父を見限るのはわかるけど、

かわいい息子まで、ワンセットで安アパートに置き去りにするとは思わなかった。

 

「森瀬くん」

名を呼ばれて正気に戻る。

「早く部屋に入りなさい。ああやってドアを開け放したままでいると暖気が逃げる」

 

外を見ると、玄関の戸口の前で太った女性が満面笑顔を向けている。

 

 

 

 

 

 

 

  


お元気ですか?

2013-02-01 12:51:20 | ネコたちの家ができるまで

 

みなさん、こんにちは

お元気ですか?

 

ぼくは自分との戦い状況です。(笑

 

非常に不便です。

自室は短期レンタルなので、ネット環境がありません。

 

引越しは、もう、拷問ともいえるほど大変でした。

現在の部屋でも、3分の2が荷物やらダンボールやらで埋まってまして

閉所恐怖症のぼくにとっては収容所にとらわれているようです。

 

カレンダーを見ては、まだかまだか、と

ため息をついています。

 

まあ、アビィはどこにいってもマイペースで

頼もしい限りです。

 

自分のパソコンではないので

写メが載せられず残念です。

 

ではまた