ネコ好きSENの洋画ファン

ワン5ニャン9と共棲。趣味は洋画と絵画。ライフワークは動物・野生動物の保護救済、金融投資。保護シェルターの設立をめざす

SEX狂の女が惨殺されるまで~「LOOKING FOR Mr.GOODBER」

2006-10-28 01:08:35 | 大好き★洋画いろいろ

1977年/パラマウント映画/VIDEO 初回版(廃版)販売価格14,800円

昼は養護学校の先生、夜は売春婦まがいに男を漁ってバーに繰り出す、
という愛とセックスに飢えた女の話。
当時は秀作として持ち上げられたそうだが、今ではよくあるパターン。
30年の間に女の生き方も変わったようだ。
まあ、そうは言ってもこの頃のD・キートンは可愛い。
別れを切り出す男の前で、誘うようにスカートをめくりあげ、
しかもパンティをはいていないで恥部をさらけ出すのは
見ていてこっちがドキッとさせられる。

また、勉強一筋だった彼女が真面目な男(:ジェイムス)を拒絶し、
いかれた危険な男に惹かれるところなどは、なかなか女の心理をついている。
それゆえ最後は狂った男に惨殺されるというのも、しかたがないかなと納得。

似たような話でC・ドヌーヴの「昼顔」があるが
あちらは貴婦人が娼婦となって売春宿で性をむさぼるせいか、
「危険な男」との接触はあっても「常に管理された場所」であり、
「男」そのものに夢中になることはない。
その意味では男を次々に誘い込んで心を通わせる「ミスターグッドバー……」の
テレサの方が身近だし、映画的には面白い。

しかしながらテレサが「わたしは(病気だから)一生結婚しない」
「一生子供は産まない」と言い切るところは、観ていて少し淋しい。
そこから「だからバーで男を漁ってもいい」と繋がり、
彼女が惨殺されて「自業自得」となるのだろうが、
おれなんかは「真面目なジェイムズとさっさと結婚しろ」と思ってしまうのである。
テレサの求める楽しさは、淋しさを紛らわすための「いっときの快楽」なのであり、
底辺に潜む物悲しさが全編を通じて感じられる。

この手の話、男ならユアン・マクレガーの「猟人日記」なる映画があるが、
相手を次々に替えるのは男が似合うのであって、
男を次々に替えていく女に待っているのは、やはり「不幸」なのだよ。
そればかりは30年前も今も変わらないということだ。

不思議な感傷が残る「LADY IN THE WATER」

2006-10-22 02:52:30 | 大好き★洋画いろいろ


今日観てきた映画です。
M・N・シャラマン監督が好きなので無条件で映画館にGOしました。
映画としてのできはどうか……これは意見の分かれるところ、
いっしょに観た男は「予告編のペンギン(:アイスエイジ)の方が良かった」と言う始末。
シャラマンにすれば「移民や社会の異分子、回りから浮いている人たちへの賛歌」として作ったそうだ。
シャラマン、「シックスセンス」「サイン」とヒットを飛ばして儲けたせいか、前作「ヴィレッジ」あたりから「自分色」に強烈にこだわっている。
「ヴィレッジ」は興行的には失敗したが、シャラマン自身「こうすれば観客に受ける」「これが王道」というのが大嫌い。
「アイデアがないからリメイクばかり、似たような話、そんなものはつまらない」というシャラマンが、おれは清々しい感じがして大好きだ。
おれも「ありきたりの日常」「ただ泣かせればいい」「男と女が恋して切ない」系は大の苦手。

で、この「LADY IN THE WATER」である。
シャラマンがふたりの娘におやすみ前に聞かせた作り話をそのまま映画にしたものだという。
展開にかなりムリがあり、脚色の脆弱性はいかんともしがたいが、
それを超えて不思議な爽快感が残るのは、この監督の凄さだろう。
とくに水の精役の女の子がかわいい♪
(監督ロン・ハワードの娘だと知り、びっくり! そういうえば親父にそっくり! ちなみに彼女はこの役がオファーされたとき、嬉しくて泣き出してしまったそうだ)
個々の人間を深く描いているところで大人のファンタジーとしても楽しめる。
おれがいいと思ったのは深まる謎を、まるでパズルを解くがごとく追いつめていくところだ。
「アンブレイカブル」っぽい演出だと思ったが、さて、ご覧になられた方はどう思っただろうか。

また「シャラマンが出過ぎ」、「俳優になるつもりか」という意見も多く聞かれそうだが、
おれにはなかなか好感が持てた。(演技力はイマイチだが)
というのも、
おれがこの自由闊達なシャラマンを多いに気に入っているからなのだろう。