御嶽山の噴火から1週間。
犠牲者47人の身元が確認され、戦後最大の火山被害と言われていますが、
まだ安否不明者が20人近くいるらしい。被害はもっと拡大しそう・・
9月11日に1日80回を超える地震が観測され、地震活動が活発になっていたので、
警戒レベルを上げていれば登山者もこれほど多くなかったのではないか…
との質問に対し、
気象庁の火山課長は「地震の回数だけで、噴火の前兆と判断するのは難しい」と述べ、
今の火山予知のレベルが決して高くないことを、当日の記者会見で強調していました。
その言葉を聞いて、「やっぱり・・・」と思った人は少なくないでしょう。
今年7月、川内原発の安全審査に合格を与えた原子力規制委員会は
「火山活動に対しては噴火の兆候を監視していれば対応できる」としていたけれど、
火山学者からは「予知は困難」と指摘されていましたから。
ところが、昨日、原子力規制委員会の田中委員長は、
「今回の水蒸気爆発による噴火と、対応を検討中の巨大噴火とを一緒にするのは非科学的だ」
と述べ、川内原発の対策は妥当だという考えを改めて示しました。
びっくり!です。
地震の専門家でもない委員長が、何の根拠があって、
巨大噴火なら予知でき、対応もできると言いきれるのでしょう?
しかし、もっとびっくりする発言が同じ日に安倍総理の口から飛び出しました。
参議院本会議での発言です。
田城郁議員(民主党)「予知不能であったこの噴火は、自然からの警鐘として受け止めるべきです。川内原発の再稼働を強引に推し進める安倍政権の姿勢を認めるわけにはいきません」
安倍総理大臣 「桜島を含む周辺の火山で今般、御嶽山で発生したよりもはるかに大きい規模の噴火が起こることを前提に、原子炉の安全性が損なわれないことを確認するなど、再稼働に求められる安全性は確保されています」
ああ・・安倍さんってなんと自信過剰な方でしょう!それとも、超楽観的な極楽トンボ…
どちらにしても、国民は迷惑です。危険に巻き込まれるのですから。
そう言えば、去年の今頃でしたね、「汚染水問題はアンダーコントロールされている」
と大嘘ついて、オリンピックを日本に持ってきたのは。
ご本人は嘘をついているという意識がないのか?本気でそう思い込んでいるのか?
それにしても、事故の被害の凄まじさは、私たち一般国民以上に分かっているはず。
何回も視察して目の当たりにしているはず。
地震や津波の被災地にも足を運んでいるはず。
それでも、懲りないのか?
この大地震がこの原発で起きたら・・
この大津波があの原発を襲ったら・・
この大噴火がその原発の周辺で起きたら・・
という発想がなぜ生じないのかが不思議でならない。
何度国民が被害を受ければいいのだろう?
どれだけ犠牲になればいいのだろう?
何回天災に見舞われても自然の威力に恐れを抱かない、懲りない人なのだろうか?
懲りない・・といえば、昭和の終わりごろ、
「塀の中の懲りない面々」という変なタイトルの小説が大ヒットしましたっけ。。
「塀の中」とは刑務所のことで、
「懲りない面々」とは服役を終えやっと娑婆に出ても、再び犯罪を繰り返し
入出所を繰り返す累犯者達のことでしたが・・
安倍総理や田中原子力規制委員会委員長などは、平成版「懲りない面々」ですね。
彼らがいる塀の中は、原子力村の高い塀の中で、
塀の外でどんな大災害が起きようと、自分達だけは安全なところにいるから、
その危険性が全然感知できない、身に沁みない、対岸の火事でしか有り得ない、
そんな人たちでしょうか。。
そんな人をこの国のトップにしてしまった私たちは、なんて愚かな民でしょう。