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ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

久々のロンドン

2005-08-06 22:22:21 | イギリスの生活
昨日(金曜日)は、仕事の用事でロンドンに行った。今年の1月以来、久々のロンドンである。

天気は、雨のち曇りときどき晴れ。最高気温は22度。ぶるぶる・・・。それでも、例年並みというから、イギリスの夏は涼しい。でも、タンクトップにバミューダパンツの女性の姿も少なくない(かと思うと、その横を毛糸の帽子をかぶってオーバーコートを来たおばあさんが歩いていたりするのも、イギリスなのだが)。

今でもこんな車両(写真)があるんでしたね。イギリス独特の、外からしか開かない旧式ドアである。その昔、リッチな方々が旅行をするときには、必ず召使が到着地で待っていたので、自分で内側からドアを開く必要がなかったのが原因という説をどこかで読んだことがあるが、これは二等客車(正確には二等とは言わずに、スタンダードと呼ぶが)。現代の安全規格にはふさわしくないので、窓には横棒が張り渡され(「あなたの安全のため」と書いてある)、内側からもドアが開くように錠がついている。さすがに最近は自動ドアが増えて、このタイプの旧式車両は減ったが、それでも、ロンドン郊外行きの急行列車などにときどき見られる。以前ロンドンに住んでいた頃、一駅だけこの手の電車を利用したことがあったが(当時は旧式そのもので、内側に錠がなかった)、もし万が一窓が下がらなくて(こういうことがよくあった)、外側に手を回してドアを開くことができなかったらどうしようとよく不安に思ったものである。その駅で降り損ねると次の駅に到着するのは40分後だ。

ロンドンの駅はどこも、入り口、構内、プラットフォームとあちこちに警察官の姿が目についた。でも、それほど緊迫した雰囲気はない。仕事帰りの通勤者たちに、「ご苦労様、よい週末を」と声をかけている警察官がいて、ちょっといい気分になった。

避暑

2005-07-30 22:29:39 | イギリスの生活
イギリスに着いた当初1週間ほどは暑くて、これでは全然避暑に来た意味がないぞと思っていたが、ここに来て1週間ほど涼しい天気が続いている。日中の最高気温は23度前後。今日は土砂降りの雨で、「雨が見たい」というわたしの希望は十二分にかなえられた(もう晴れていいぞ)。

スペインの近所の人から電話があったが、あちらは42度だそうだ。やっぱりイギリスに来てよかった。相変わらず雨は降っていないようで、山火事と水不足が心配。わたしたちが帰る頃には貯水池がいっぱいになって、給水制限の心配がなくなっているといいのだが。まず無理だろう。

給水制限といえば、イギリスのケント県で、ホースの使用禁止令が出た。もっとも、今のところ無人状態での使用が禁止されているだけなので、実質上はスプリンクラーが使えないだけだ。今日の多量の雨で、貯水池が少しでも潤ったならいいのだが、満水になるにはまだまだたくさんの降水が必要らしい。

写真は、トレーラーハウスのあるキャラバン場から向こう岸を臨んだもの。遥か向こうには、ヨールディング村の教会とオーストハウス(ホップを乾かすためのサイロ)が見える。昨日、雨の間の晴れ間を狙って撮った。

向こうの丘のラベンダー畑ではすでに収穫が始まり、頂上に一筋の紫色を残して、後は、茶色の地肌と緑色の縞模様になっている。夕方になると、ラベンダーの香りがトレーラーハウスの中まで漂って来て心地よい。

ファームショップ

2005-07-30 22:15:16 | イギリスの生活
近くの村のファームショップに行く。農家が経営している店で、大きな納屋を店舗に使っている。中は地元産の野菜や果物でいっぱい。

イチゴとサクランボと"Taste of Kent"(ケントの味)という名前のパンとサリーさんの手作りのヴィクトリア・スポンジ・ケーキを買った(写真)。イチゴは大きい割には実がしっかりしていて甘い。パンはヒマワリの種やケシの実などたくさんの種が入ったパンで、ふわふわでおいしかった。ヴィクトリア・スポンジ・ケーキはちょっとわたしには甘すぎた。それに、真ん中に入っているバタークリームはあまり好きではないし。まあ、地元の産業振興に貢献したと思おう。サクランボはあまりスペインのサクランボと変わらなかった。スペインのほうがずっと安い。

夏のイギリス

2005-07-11 23:19:45 | イギリスの生活
やっぱり夏のイギリスはいい。どこも花盛りである。緑が広がる。雨が少なくて茶色の地肌が広がるペドロランド近辺とは対照的だ。

写真はキャラバン場内の共同花壇。去年から園芸会社の女性が手塩にかけて少しずつ築いてきた小さな庭だ。典型的なイギリスのコテージ・ガーデンを模したもの。

昨日今日と最高気温は29度まで上がった。この調子だとあまり避暑にはならない。それでも日が沈むと気温が下がり、夜は涼しくてぐっすり眠れるのがスペインと違っていいところ。

イギリス到着

2005-07-11 22:39:31 | イギリスの生活
のち7月6日の午後9時少し前にペドロランドを出発した。スペイン・フランス国境近くで小雨が降る。安いスペインのガソリンで満タンにし、フランスに入った。

期待していたミラウの新しい陸橋はなかなか立派であった。まだ薄暗い夜明け前の空にそびえ立つ柱の先で明かりが点滅している。その柱から何本もの鋼材がまるでハープの絃のように、優雅なカーブを描いて鉄橋まで伸びている。眼下に広がる谷間には村や町が点在している。これがもう少し明るくて、天気もよかったら、絶景だったであろう(車で通過しただけだったので、残念ながら写真はありません)。

朝食のため、ドライブインに立ち寄る。ふわふわでバターたっぷりのクロワッサンと外側はカリカリ、中はやわらかなコッペパンに、アプリコットジャムとカフェ・オ・レの朝食をいただく。新聞スタンドで売られているフランスの新聞を見ると見出しは「なぜロンドン?」。オリンピック誘致争いに敗れたパリの悔しさが表れていた。一部の関係者を除き、イギリス人はオリンピックなどほしくはないが、フランス人を負かしたのは気持ちがいいと言う。

イギリスのナンバープレートの付いた車を運転していると、フランス国内で冷遇されるのではないかと心配していた夫だったが、ガソリンスタンドの女性店員(ポンプが動かないと言うと、いきなりヒステリックに怒り出した)とフェリーのチケット売り場の受付嬢(冷たい事務的な素振りで、役に立とうという気が全くなかった)以外は普通だったと思う。高速道路の料金所の若い男の子なんかは、にっこりと微笑むほど愛想がよかった。この2人の女性はきっと出がけにボーイフレンドとけんかでもしたのだろう。

パリ南方でその日の旅を終え、一泊するつもりだったのだが、目標としていた町にさしかかったのは、午前11時であった。こんな時間ではホテルにチェックインはできない。とりあえず、パリの北まで行ってみようということになった。

パリは土砂降りだった。環状道路に入るときに、エッフェル塔とモンパルナスの丘をちらりと遠景にとらえる。それから後は、わき目をふらずに、道路標識を追う。パリ市内に迷い込むと脱出するのに少なくとも2~3時間はかかるからだ。折からの雨と昼食時の混雑で、パリを抜けたのは午後2時近かった。ここからカレーまでは、約2時間半。となると、今夜はホテルよりは自分たちのトレーラーハウスで過ごそうということになるのだった。

カレーでフェリーのチェックイン手続きをすると、イギリスの入国審査がある。これは初めてのことだった。これまでは、ドーバーに着いた後、「欧州連合パスポート」と「その他のパスポート」という2つの車線に別れ、わたしを乗せた車は、短いがなかなか進まない「その他のパスポート」の列に着くのが常だった。フランス側でのイギリスの入国審査というのはいい案である。フェリーがイギリスに到着してからだと、乗船していた何百台もの車が一斉に殺到することになるわけであり、たいへんな混雑になる。ところが、フランス側だと、港に到着するのは各車まちまちということになり、入国審査の列も短く、審査官もゆっくりと時間をかけてチェックができるわけである。不法移民が大型トラックの荷台にもぐりこんでイギリスに上陸した後逃亡するのを防ぐための対策なのだろうが、われわれフェリー利用者にとっても、ありがたい措置である。

こうして7月7日木曜日、ペドロランドを発って約23時間でドーバーに到着する。ここからトレーラーハウスのあるケント県のヨールディングまでは車で40分ほどだ。途中、道路情報を告げる、高速道路の電光掲示板に「本日はロンドンを避けるように」という警告を見かけた。たぶん、オリンピックの開催地決定を祝うお祭り騒ぎで、ロンドン市内は混雑しているのだろうと思っていのだが、それが爆弾テロのためだったと知ったのは、トレーラーハウスに到着した後、親戚・友人に到着を知らせる電話をしているときだった。

今年はラベンダーの季節に間に合うかと気になっていたが、ちょうど最初の収穫が始まる前だった。向かいの丘にだんだんと紫色が広がりつつある(写真)。