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ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

驚きのイギリス入院体験(1)

2007-09-07 13:18:03 | イギリスの生活
ときどきみなさま、ご心配くださり、どうもありがとうございました。励ましのコメントもありがたく拝見しました。順調に回復しています。

先週の火曜日、28日の午後5時頃の手術で、なんと術後2日目・30日の朝には退院させられてしまいました。入院期間は3~5日間とは聞いていたものの、手術後40時間で本当に退院させられるとはびっくり。通常は術後2日目の夕方に執刀医にして主治医である医者に見てもらい、一部の抜糸(溶解性の糸を使っているので、実際の抜糸はなくて、これはただの儀式らしい)をした後、翌朝11時に退院というのが通常のパターンらしいのだが、この医者が木曜日は来ないことに決めたため、それだったら、木曜日の夕方まで入院している意味がないというので、急遽木曜日の朝退院となった。この陰には、一緒に入院したサンドラの早く家に帰りたいという熱望が働いていることも否めない。若い医者が木曜日の朝やってきて、吐いたことがあるか、痛みはあるか、排尿はうまくいっているか、という簡単な質問に答えた後、「家に帰っても大丈夫か?」というので、イエスと答えると即座に退院となった。

病室には14のベッドが置かれているのだが、わたしと、同じ日に入院したサンドラともう1人の女性だけが3日間入院したのみで、ほかの11人はすべて日帰り患者であった。朝8時になると、付き添いを連れた患者が一斉にそれぞれのベッドに陣取り、プライバシーを保つため、ベッドの周りのカーテンが引かれる(でも、もちろん、声は漏れてくるのだが)。それぞれの主治医がやってきて、そのカーテンの中で手術の説明をし、その後カーテンが開かれると、理学療法士がやってきて、全員に向けて術後の体操について簡単な解説をする。朝9時になると、最初の患者がベッドごと運び去られ、手術室に向かう。術後、回復室から戻ってくると、1時間ほど休んだあと、看護婦がトーストと紅茶を運んできて、それを食べた後、患者たちは着替えて去っていく。こうして日帰り患者が1人、2人と順に去り、夜8時になると、わたしたち3人だけを残して、大きな病室はひっそりと静まりかえる。日本では、よく同じ病室の人と友だちとなったり、退院後にも会ったりといった話をよく聞くが、こんな状況なので、術前検査でたまたま一緒になったサンドラとちょっと話をしたくらいで、友だちになるような時間もなかった。そのサンドラとですら、手術翌日にカテーテルが取り外されて歩けるようになってから、やっと話ができたわけで、その後すぐに退院となったため、たいした話をする時間もなかった。

テレビもラジオもないし、夜は人間ウォッチングをする対象もなく、病院は恐ろしく退屈だったので、早々に退院できたのはありがたかった。主治医がわざわざ術後の経過を見に来なかったということは、手術自体もまったく問題がなかったのだろう。

イギリスの病院はおおらかというか、おおざっぱである。長くなるので、次回に続く。

術前検査に行く

2007-08-20 09:23:41 | イギリスの生活
ときどき相変わらず、8月のイギリスは低温である。天気も悪い。土曜日はバーベキューによばれて出かけたのであるが、日よけのテントの下で雨をしのぎ、屋外ヒーターで暖を取るという、なんとも情けないバーベキューになってしまった。が、久々に友人たちに会って楽しかった。

金曜日は術前検査に病院に行った。10日後に予定されている手術に備えて、手術に耐えられる体力があるかどうかをチェックするものである。内容は血液検査と身長・体重・血圧測定と問診という簡単なものであったが、例のごとく、待ち時間がえらく長くて、結局朝3時間も病院で過ごすことになった。

看護婦に付き添われて、身長・体重測定をした。「XXストーンXXポンド」と言う。もっと少なかったらよかったのだが、まあそんなものであろう。書類作成の担当の看護婦のいる別室に行くと、体重測定の看護婦が体重は82キロと言う。どうやら体重計のキロ表示のほうを見間違えたらしい。メートル法で育っているわたしたちだったら、一目見ただけで82キロあるはずがないとわかるのだが、この人たちには全然ピンとこないのだろう。ちなみにイギリスでは数年前からメートル・キロが正式な単位となったが、いまだに非公式な世界ではマイル・ポンドが幅を利かせている。異議を唱えて、再度計ってもらうことにした。82キロは間違いであることを納得してもらい、書類の数字を訂正してもらった。この体重で麻酔の量を決められたら、二度と目が覚めなかったかもしれない。うーん、油断はできないぞ。

入院期間は3~5日間と言う。同様の開腹手術だと、日本では1週間というのはめったになく、たいてい10日間から2週間のようだ。少なくとも抜糸までというのが常識のようである。この点について聞いてみると、縫うかホチキスでとめるかはわからないが、溶ける糸をつかって縫合する場合はもちろん抜糸はないし、ホチキスの場合は、訪問看護婦が家に来て抜鈎してくれるのだそうである。病院に長くいればいるほど、院内感染の危険が高くなるので、さっさと退院したほうがいいと言う。院内感染についてはニュースでよく知っていたが、さすがに病院関係者からこうもはっきり言われるとちょっと心配になった。なるべく早く退院できるようがんばろう。

もうすぐフランス

2007-05-03 18:07:08 | イギリスの生活
のち今年の4月はイギリスの記録史上(つまり過去300年以上で)もっとも暖かい4月となった。しかも、ケント州の降水量はほぼゼロ。雨も降らない4月だった。それは今日も続いているが、来週の月曜日、つまり5月のバンクホリデー(もともとはメイデーの祭日)からは崩れるということである。

イギリス滞在もそろそろ3ヶ月となるが、今週の土曜日にフランスに向けて出発することにした。今度のフランス滞在は3ヶ月ほどの予定。今回はポーツマス・サンマロ間の夜行のフェリーを利用し、日曜日の朝8時半にフランスに到着した後5時間ほど車を走らせたら家に到着するはずである。

さて、日本では昔から色の白いは七難隠すといい、美人の条件は白い肌であった。が、イギリスでは最近は小麦色の肌がもてはやされている(ヴィクトリア時代はイギリスでも白い肌が美しいとされ、色を白くするのに女性たちは砒素を使ったそうである。美肌も命がけだ)。特に今年は冬のうちから、トイレタリー各社が日焼け効果の入ったボディー・ローションを売り出している。で、たまたま薬局チェーン店に行ったら安売りをしていたので、わたしもその手のものを買ってみた。使い始めて2週間になるが、あまり効果は見られない。ただ1箇所だけ茶色なった部分がある。かかとである。それも小麦色というよりは黄土色といった感じで、全然健康的でもなければ、かっこよくもない。夏になったら、せっせと日焼けをしてかかとの茶色さを隠さなくては。

リンゴの花ほころび…

2007-04-23 17:41:59 | イギリスの生活
ほんの一時今日は一時的に雨がぱらついたものの、乾いた天気はまだ続いている。例年より気温も高い。今のところまとまった雨の予報は出ていなくて、ガーデンのために雨が降ってほしいと声が高まってきた。またホースの使用が禁止されるのもそう遠くないだろう。

わがトレーラーハウスの敷地内にあるリンゴの木に花が咲き始めた。つぼみと花とで、ピンクの濃淡のコントラストが美しい。リンゴと言えば、最近イギリスではサイダーがおしゃれな飲み物になってきた(リンゴと言って、アップルパイをすぐに連想しないわたしは辛党)。これは、アイルランド産のマグナースというサイダーのコマーシャルによるところが大きいと思う。ここケント州はイングランドの庭と呼ばれるだけあって、果物・とくにリンゴの産地として有名なだけに、アイルランドなんてリンゴでは有名でないところで作られたサイダーがおいしいものかとうちの夫は軽蔑しきっている。

クールな音楽にスタイリッシュな映像で、マグナースの知名度は昨年あたりから急速に高まったように思う。サイダーといえば、昔はウェスト・カントリー(イングランド南西部)の農業従事者の飲み物というイメージだったのに、最近は女性が手にする姿もよく見られるようになった。これは、パブでポンプからパイントグラスに注ぐというこれまでの飲み方から、同じパイントグラスでも、氷をたくさん入れて、そこに瓶入りのサイダーを注ぐという飲み方をコマーシャルで定着させたおかげではないかと思う。従来よりもうちょっとエレガントだし、グラスいっぱいの氷はとてもさわやかな感じである。

雨の降らないイギリス

2007-04-20 09:03:19 | イギリスの生活
このところ、更新を怠っていてすみません。いまのところ、イギリスをいつ出発するかまったくの未定状態。きっとまた、行くと決まったらあわただしくフランスに向けて出発することになるのだろうな。とりあえず、車は2ヶ月の修理から戻ってきたので、いつでも出発できる状態にはある。もっとも、車なしの生活には耐えられず、3週間ほど前に安い中古の車を買ってしまった。フランスへはこちらの車で行くことになるかもしれない。2ヶ月も修理に出ていたら、いったい修理代はいくらになるかとはらはらどきどきしていたのだが、思ったほど高くなくてほっとした。

イギリスは珍しく雨のない天気が続いている。先週末は気温も25度まで上がり、夏がやってきたのかと思うような陽気だった。その後、気温は若干下がったものの(昨日の朝は寒かった!)、雨の降らない天気はいまだに続いている。こうなると、早くも水不足が心配だ。

ロビンの行方

2007-03-28 15:43:50 | イギリスの生活
のち先週は雨の多い寒い1週間だったが、今週は月・火・水と晴天が続き、気温も18度まで上がった。が、これも長くは続かず、今日(水曜日)の夕方から雨になり、気温も下がると言うことだ。こう頻繁に気温が上がったり下がったりしたのでは、自然に依存している昆虫や動物たちには気の毒なことだ。

先週は外に出ることがほとんどなかったのだが、ロビン(コマドリ)がどうしているだろうかと思って夫に聞いてみると、巣は空っぽだと言う。そんなに早く巣立って行ったのねと感動していると、きっと猫かマグパイ(カササギ)に殺されたのだろうと言う。自然は残酷だ。これに懲りずに、母鳥がまた巣に戻ってきてくれるといいのだが。


ロビンの巣、みつけた!

2007-03-19 15:38:45 | イギリスの生活
ときどきで、現在は
先週一週間、イギリス南東部は暖かい晴天に恵まれた。最高気温は20度近くまで上がる。が、一転して今週は寒い。昨日は5分ほど雹(ひょう)が降った。今日の最高気温は8度で、先週より10度も低い。先週は日中は暖房を切ることができて、ガス代を節約することができたが、今週はそうはいかないようだ。今日も風が強く、朝から天気が変わりやすかったが、今は雪が降っている。

暖冬の今年は、Red Admiral(ヨーロッパアカタテハ)などの蝶が早くも見かけられたそうだが、今週の冬の戻りで、姿を消すだろうと言われている。

土曜日にロビン(ヨーロッパコマドリとも言うそうだ)の巣を見つけた。低いワイヤーフェンスだけで仕切られたお隣の庭の木の中にあった。すぐ手前のとげのある木の枝を横にのけて、中をのぞき込むと、小さな4つの卵が入っている。

前夜からの強風の被害はなかったかと、次の日、もう1度巣をのぞいてみると、卵がかえっていた。口をいっぱいに開けて上を向いているので、4つの口しか見えない。親鳥が近くの木にとまって見張っているので、早々に引き上げた。雛たちの成長が楽しみだ。

いまだにイギリス

2006-10-25 17:43:08 | イギリスの生活
イギリス滞在も残り少しと書いたのは確か2週間ほど前だったと思うが、いまだにイギリスにいる。

イギリスからのお客さんはすでに日曜日に到着して、主のいないスペインの我が家に滞在している。幸い、予め空港でレンタカーを借りる手配をしていて、2週間昼間は自分たちで好きなところに行く予定だったようなので、わたしたちがいなくても特に困るわけではないようだ。が、せっかくスペインまで来てくれたことだし、2週目には彼らの友人でわたしたちもよく知っている家族が合流する予定なので、彼らがスペインにいる間にぜひスペインに戻りたいと思っている。

が、今年フランス・イギリス間を2往復する間に学んだことは、自分の力だけではどうにもならないことが世の中には多いということだ。3カ国体制も自分の計画したとおりに移動ができれば理想的だが、そうでない場合はストレスがたまる。気持ちを穏やかに保つためには、計画を立てない、期待をしない、物事が起きたときに臨機応変に対応するということだが、そうすると未来に対する楽しみがまったくなくなるのが残念だ。

実は、2週間前、わたしの健康上の理由で、今年いっぱいはイギリスに滞在することになるだろうと覚悟を決めたことがあった。もちろん、お客さんたちの滞在中にスペインに戻ることも断念した。が、その5日後には、すぐには治療を要さないことがわかって、一転いつでもスペインに帰れることになった。

が、問題は車。急ぐからということで、別の修理工場に下請けに出されたのだが、そこでもすぐには取りかかれずに2日間待った後、4日間かけて車が動くようになった。と思ったら、タイミングベルトのケースが入手できず、また待ちの人生。このケースは素人目にも壊れているのは明らかで、交換が必要なことは初めからわかっていた。修理を始める時点で同時に注文していたら、3日も無駄にすることはなかったのに。で、ケースが届いた後、すべてを組み立てて走らせみたら、テンショナーという部品がうまく作動していないことがわかり、この部品を注文することになった。これもまたなかなか手に入らない。やっと今日の午後になって入手できたそうで、いよいよ明日、引渡しということになった。

というわけで、もし明日車を引き取ることができれば、金曜日の夕方にフランスに渡る予定。そこで一部の荷物を降ろし、フランスに置いてきた荷物を積んで、スペインに向かう。たぶんフランスに滞在するのは1晩か多くても2晩となることだろう。

が、まだまだ油断はできない。最近ときどきフランス人港湾作業員が賃上げを求めてストライキを行っている。運休が出ているのは、ドーバー・カレイ間を行き来しているSea France社のフェリーだけだが、昨晩は新しい展開があった。ストライキ中の作業員が警察に逮捕されたというので、その釈放を要求する組合員によりフランスのカレイとブーローニュの港が閉鎖されたのだ。幸い今日は通常に戻ったようだし、わたしたちが利用する予定のフェリーはディエップ行きなので、よほどのことがない限りカレイやブーローニュの影響を受けることはないだろうが、最後まで何があるかはわからない。トモコさん、ご心配いただきましたが、やっぱり今度もハプニングなしにはイギリスを出られないようです。

イギリスはこのところ雨降りばかりだし、いよいよ寒くなってきた。スペインのお客さんからは、今日はベランダで日光浴をしているという報告も入ってきている。そろそろ南に渡るときが近づいている。

パン焼き器実験記録(5)

2006-10-17 12:15:27 | イギリスの生活
今回は失敗の巻。

クルミが袋半分残っていたので再びクルミ入り全粒粉パンに挑戦した。全麦コースは5時間かかるし、焼きたてのパンは切りにくいので、冷ます時間2時間を入れると、お昼にパンを食べるには5時にスイッチを入れないといけない。というわけで、いつも通り夜のうちにタイマーをセットして、朝そろそろ焼き始めるかなとパン焼き器をチェックすると、なんと表示は"BAKE"になっていて、"BAKE RAISIN"ではない!案の定、クルミはすっかりナッツ投入器の中に残っていた。

パン焼き器をセットするときにはいつもマニュアルを見ながら1段階ずつ確認しつつ操作し、最後にもう1度表示を確認するのだが、この前夜は慣れてきたので、マニュアルを見ないで、自分の記憶でやったのが間違いのもとであった。今日の教訓:油断大敵。

クルミ無しになってしまったことを除けば、クルミ入り全粒粉パンは成功。背の高いハンサムなパンが焼きあがった。

今回は砂糖と塩を少しずつ増やしてみた。砂糖はテーブルスプーン4分の3、塩はティースプーン4分の3。今回はあまり甘酸っぱい匂いが強烈ではなくて、味もイースト臭くない。もっともクルミが入っていたら、結果は異なっていたかもしれないが。

残っていたクルミは下からのパンの蒸気でふやけていたのだが、このまま次回使えるかな?

パン焼き器実験記録(4)

2006-10-11 12:42:22 | イギリスの生活
先週の木曜日は仕事の都合でロンドンに朝出かけたのだが、吐く息が白かった。ちなみにこの日は久々にラッシュ時の電車に乗ったのだが、午前9時半前はピーク時料金となって割引がないので、ロンドンまでの往復運賃はなんと20ポンド10ペンス(4500円)もした。毎日通勤する立場になくてよかった。イギリスは物価が高い(それでも、東京ほどは高くないらしい)。地下鉄の初乗り運賃も毎年値上がりして、いまや3ポンド(665円)である。

金曜日はいきなり暖かくなって、最高気温22度。この日の午後はたいへんな豪雨だった。一部洪水の被害が出たところもあったようである。それ以降は比較的暖かいが、雨が多い。

さて、今度は初めてナッツ・レーズン自動投入器を使って、クルミパンに挑戦した。クルミは2週間ほど前に自然食品店で買っておいたのだが、小麦粉のほうは袋に惹かれて、あまりよく考えずにwholemeal flourというのを買ってしまった。"very strong"というのと、カナダの国旗(カナダ産の小麦はとても粘りが強いと言われる)と、屈強そうな男性のパン職人の絵が魅力的だったのだ。本当はbrown flourというのを買うつもりだったのだが、このときは見つからなかったし。いったい、brown flourとwholemeal flourとはどう異なるのだ?と思って、ホームベーカリーの取説を読んでみたら、brown flourのほうは、製粉時に小麦の粒の10~15%を取り除いて作った小麦粉ということだった。

というわけで、今回はレシピにあわせて材料を買うのではなくて、材料に合わせてレシピを選ぶという異例の手順となった。全粒粉とクルミの両方を使ったレシピはわたしの手持ちのレシピブックにはなかったので、適当にアレンジした。また、全粒粉100%で具(?)入りのレシピというのもないようなので、適当に白の強力粉を混ぜてみることにした。今回の分量は下記のとおり。

白の強力粉:175グラム
全粒粉(ベリーストロングのカナダ産強力粉):225グラム
ドライイースト:テーブルスプーン1
砂糖:テーブルスプーン2分の1
バター:25グラム
スキムミルク:テーブルスプーン1と2分の1
塩:ティースプーン半分
水:330ミリリットル
クルミ:50グラム

全麦(whole wheat)のレーズン入りコースを選択すると5時間で焼きあがる。全麦小麦粉はふすまや胚芽などの小片でグルテンの筋が断ち切られてしまうため、また、豊富に入っているミネラルが発酵を妨げるために、イーストの量が普通の白食パンより多く必要で、発酵時間も長いのではないかと思う。

で、結果。いつもは高さ12センチくらいに仕上がるのが、今回は15センチくらいあった(写真では、パンは横に寝ています)。これは、ベリーストロングなカナダ産強力粉のおかげだろうか。今回は、甘酸っぱい匂いがとりわけ強烈だったことから考えると、イーストが多かったのかもしれない。味のほうも、最初の日はイーストっぽい気がしたのだが、2日目は全然イースト臭くなかった。歯ざわりに関しては、ふわふわで適度に気泡も入って合格。

「パンケースのノンスティック加工を傷つけることがありますので、ナッツ類は細かく刻んで入れましょう」という取説にしたがってクルミはできるだけ小さく切ったせいか、残念ながらクルミの味はあまり感じられなかった。が、クルミに関しても、2日目のほうが前日よりクルミの香ばしさが感じられたような気がする。今回の教訓。クルミ入り全粒粉パンは2日目のほうがおいしい。

書き忘れていたこと。松下は日本でも音が静かなので有名のようだが、我が家のホームベーカリーもとても静かである。買ってすぐに取説を読んだとき、「捏ねる過程で機械が動くことがありますので、作業台の端に置くのは避けましょう」と書いてあったので、わたしは壊れた洗濯機が床をのた打ち回る図を頭に描いてしまった。が、実際にはとても静かで、近くに座っていても、全く存在に気がつかないくらいだ。

イギリス滞在も残り少なくなってきた。フランスやスペインでどこまでパンの材料が手に入るか(グラナリーは登録商標だし、ドイツ風のパンが手に入るスペインは別としても、フランスではこの手のパンは見たことがないので、難しいかもしれない)が問題である。とりあえず、イギリス最後の食料品の買出しではグラナリーフラワーを3袋くらい買い込んで、フランス・スペインに持っていくつもりだ。