貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

蓮の香りを能面の鼻の孔から嗅ぐと・・・!?

2022-02-23 16:40:25 | 日記
令和4年2月23日(水)
 今日は、3回目の新型コロナ
ワクチン接種日。
 三回目は初のモデルナ。
 事後の発熱率は75%。
しかし、免疫力は高いらしい。
 体調を崩さないよう祈るのみ。
蓮のかを 
  目にかよはすや 
     面(めん)の鼻
 能楽師との芸談で、
能面をつけて下を見ると、
それは鼻の孔から見えるという。
 そこで、庭の蓮華の香りを
面の鼻の孔から嗅いでいると
想像する面白さ。
 能面の鼻と蓮の花の香りとを
連絡させた趣向の妙があるよう。 


嘱目吟。門人を見る目が温かい!

2022-02-22 14:53:45 | 日記
令和4年2月22日(火)
秋ちかき 
   心の寄や 
      四畳半 
     (六月二十一日)
 四畳半に集まった蕉門の人々への
嘱目句。
 「嘱目句」とは俳諧で、兼題・席題でなく、
即興的に眼にふれたものを吟じたくのこと。
 秋が近い。
 つまり夏ではあるが、
秋の冷たい気配がある。
 そこで、四畳半に人々が身を寄せ合っている。
何だか、心温まる様子である。
 「秋近き」という出だしが秀逸である。
 門人たちへの心がふっくらと温かい。


隠居所は、夏の涼しさを旨に!

2022-02-21 15:44:09 | 日記
令和4年2月21日(月)
涼しさを 
  飛騨の工が 
    指図かな 
       (五月二十一日)
 名古屋の蕉門の人が隠居所を
建てていた。
 大工の仕事ぶりを見て詠んだ挨拶吟。
 隠居所の設計図は、
有名な飛騨の工が造ったように
涼しげに出来ていますな。
 『徒然草』にあるように、
家を造るには夏の涼しさを
旨としなくてはなりませんなと、
褒めている。


聖諦から歓喜が!

2022-02-20 14:34:06 | 日記
令和4年2月20日(日)
目にかゝる 
  時やことさら 
     五月富士
(五月十三日頃)
 箱根足柄峠を越えていると、
五月雨の雨にも拘わらず、
梅雨の晴れ間に、
秀麗な富士が見えて
歓喜する。
 富士がよく見えるはずの峠に来て、
あゝ駄目だと諦めかけた時に、
雲が切れて富士がすっきり見えて、
大喜びで詠んだ一句。



これが最後の離別か・・?・・留別吟

2022-02-19 16:02:23 | 日記
令和4年2月19日(土)
麦の穂を 
  便(たより)につかむ 
     別(わかれ)かな
   (元禄七年五月十一日)
 留別吟。
 見送る人々との離別の情を、
思わずひと掴みつかんだ麦の穂の
頼りない助けと
永遠の別れとに
引き裂かれる心を詠んでいる。
 これが、
人生最後の離別であるという予感が
ひしひしと迫ってくるようだ。