ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ミュージカル「夢の降る街」

2021年07月11日 | 自分のライブで

【Live Information】


 6月5日(土)~6日(日)に岡山市民会館大ホールで行われたミュージカル「夢の降る街」は、無事終演いたしました。
 どうもありがとうございました。
 岡山県には5月下旬に緊急事態宣言が出ていたので、やむなく入場者は制限されましたが、2日間とも満席。配信も含め、その状況では考えられないほど多くの方々が観てくださったそうです。
 物語、そして演技、とっても素敵でした。
 こんな素晴らしいミュージカルが、地方都市から発信できるなんて!



カーテンコール



岡山市民会館


 ぼくは劇伴のバンドの一員として出演させていただきました。
 バンドの「仕事部屋」は、ステージに組まれたセットの下にあるブース。
 構造上ブースは暗くて狭かったですが、小さなころ押し入れにこもって楽しく遊んだことが思い出されてならなかったです。



われわれの仕事部屋。左から皆木、井上充隆(drums)、土肥隆弘(piano)、朝田恵利(keyboard)



6月6日、小屋入り。朝8時過ぎなのに楽しそうにみんな集結!


 演奏をともにしたメンバーは、土肥隆弘(piano)、朝田恵利(keyboard)、井上充隆(drums, percussion)。
 いずれもお互いに敬意を払い、助け合おうとしてくださる方ばかり。
 心に残るバンドでした。
 精一杯のことはできたかな、と思います。
 でも同時に自分の底力の足りなさを感じて情けなかったりもするのですが、終演後はただただ「ありがとう」という気持ちで胸がいっぱいでした。
 終演直後に4人で交わした熱くて固い握手は、この先ずっと忘れることがないでしょう。
 ひとつ残念だったのは、当初のキーボード担当だった入江美佐子さんが急な病で降板せざるをえなかったこと。
 でも、事前に録音・リリースしたCDのレコーディングは美佐子さんが演奏しています。
 ステージでは代役の朝田さんが大奮闘してくださいました。



左から井上充隆、皆木、清水ゆき、朝田恵利、土肥隆弘



主演の四宮貴久(左)と清水ゆき(右)





 演奏については、嬉しいお言葉をいくつもいただきました。
 しかしそれは、清水ゆきさん、四宮貴久さん、大岩主弥さん、八木景子さんらをはじめとするキャストの方々のいろんな思いが伝わってきたからです。
 また、たくさん助けてくれた共演ミュージシャンのおかげです。
 そのほか、音楽的アドバイスや指示を的確にくださった古川恭子さん、音響担当の野山さん、セットを組んだ正栄組の長谷川さん(通称・隊長)、ごろーちゃんみかんさんをはじめとするスタッフさんと一緒になって作り上げている感じ、共演感が間違いなく後押ししてくれていたのだと思うのです。
 こういうのを「相乗効果」というのでしょう。
 自分だけでは決してあの演奏はできなかった。



バンドのブースからはステージはこのように見えます。



2日目の開演前の通し稽古中に。キャストさんたちがブースを覗いてくれた嬉しい瞬間。



ブースは黒の紗幕に覆われているので、客席からは何も見えません。この写真は最後のカーテンコールでバンドに照明が当たった瞬間。


 自分の演奏については、
 「もっとこう弾けばよかった」とか
 「ああすればよかったな」という部分だらけです。
 でもそれは出来が良くなかった、ということではなく、「終わりがない」、あるいは「答えはひとつではない」ってことだと思うのです。
 本番では、その時出来得る限りのことはやれた、と思っています。



踊り子たちが夢を語り合うシーン ↑ ↓



 主演の清水ゆきさんは、高校時代にミュージカル劇団「Steps」が上演した「夢の降る街」を観てミュージカル女優になることを決意したそうです。
 高校を卒業して上京したゆきさんはStepsに入団します。
 ゆきさんは、Stepsで活躍しながらも、いつか故郷の岡山でこの作品を上演したい、と願い続けていたそうです。
 「地方発信であってもクオリティの高いミュージカルにしたい、そして岡山の地にミュージカルを広めたい」。清水さんと、その意を汲んだ実行委員の方々の信念と熱い思いは見事に実った、と言えるでしょう。
 ぼくも、その思いを自分なりに受け止められたんだと思っています。
 だから今はとても満足しています。



「みやけがんぐ」さんが、昭和の空気を醸し出す駄菓子の出店を会場で開いてくださいました。



開演前のウォーミング・アップ


 この公演に関わったすべての方々(実行委員会、キャスト、ミュージシャン、スタッフ)全員が、この作品をいいものにしたいという思いでひとつになったことも、すごいことだと思います。
 ぼくも、地方ではありますが、何十年もお客さまの前で何事かを披露させていただいていますが、終演後何日も経っているのにこんなに感激が続いていることなんて、めったにないことなのです。
 とにかく、ぼくも少しでいいからミュージカルのために何かしたかったし、それが叶えられて大きな幸福感を味わっています。



幕開け直前。6月5日。



幕開け直前。6月6日。


 かつてある先輩から「お金だけがギャラじゃない」と言われたことがありました。
 この公演では、月謝を払って教わるべきこと、いや月謝を払っても教わることができないことをたくさんいただきました。
 その意味でもご一緒させていただいた方々にはお礼を申し上げたいです。


 ときどき「プロとは、アマチュアとは」ということが論じられているのを見かけます。
 ぼくは、上手下手は関係ない、とは言いませんが、つまるところ生き方の問題だと思っています。
 あるいは、プロとアマチュアの違いとは、「ステージに向かう姿勢」とでも言えばいいのでしょうか。
 ぼくなんかが語るのも本当におこがましいことなのですが、そういうことがとても大切なのを改めて教わったような気がします。
 

 テンションがあがったせいでwほかにも語りたいことがたくさんあるのですが、最終的に自分でも何を言っているかわからなくなりそうなので、このあたりでやめておきます
 終演後1ヵ月経っているのに、感激で胸がまだいっぱいだなんて
 こんな素晴らしい経験ができ、関わらせていただいて心から光栄に思います。


 ちなみに個人的にはスキになったキャストさんがおりますが、ハズカシイのでそれが誰かは秘密です 












最後に全員で記念撮影。↑ ↓




 
 
 

コメント
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