ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ユーライア・ヒープ (Uriah Heep)

2006年05月24日 | ミュージシャン
♪お気に入りアーティスト51


 ユーライア・ヒープ。
 1969年のデビュー以来、今年で実働38年目(!)。未だに現役でハード・ロックを追求し続けている長寿バンドです。
 解散の危機は何度もあったようですが、唯一のオリジナル・メンバーであるミック・ボックス(g)が、必死でバンドを維持し続けて今に至っています。
 永遠の不良はストーンズだけじゃない、って感じですね。


     


 レッド・ツェッペリンとディープ・パープルがブリティッシュ・ハード・ロックの双璧として君臨していた頃、それに続く位置にいたバンドが、ブラック・サバスや、ユーライア・ヒープでした。
 ぼくは、ハード・ロック・バンド特有のハッタリの多い言動があまり好きではなかったので、それらをやや敬遠していたんです。でも、そのうちクィーンやエアロスミスなどの新興バンドのレコードをよく聴くようになってからハード・ロックに対する「聴かず嫌い」がだんだん消えてゆきました。


 その頃、仲の良かった地元のレコード店の店員さんたちが作っていたロック・バンドが、このユーライア・ヒープの曲をレパートリーにしていたんですが、これがぼくがユーライア・ヒープを聴き始めたきっかけになったんじゃなかったかなあ。リアル・タイムで聴いたわけではなかったのですが、このユーライア・ヒープというバンド、ぼくにとってはけっこう衝撃的でした。
 最初に聴いた曲が「七月の朝」。この1曲でいっぺんにヒープにマイってしまった感じです。10分30秒以上の大作なんですが、メロディー、構成、アレンジの全てがカッコ良く感じられたんです。
 なかでも間奏のオルガン・ソロが好きで、それをコピーして、レコードに合わせて弾いて遊んでいましたね。


     


 ユーライア・ヒープの特徴は、まず曲がメロディアスなことでしょうか。ヨーロッパのバンド特有の暗くて重々しい曲調のものが多いのですが、メロディーは親しみやすい曲が多いのです。構成もドラマティックでカッコ良い。そしてクラシカルな雰囲気の重厚なコーラスと、ヴォーカリストのデヴィッド・バイロンのハイ・トーン・ヴォイス。そしてケン・ヘンズレーの弾くハモンド・オルガンを前面に押し出したヘヴィなサウンド、といったところです。
 ただ、変わっているというか、ユニークなのは、ハード・ロック・バンドでありながらギター・ソロがあまりないところでしょう。逆に言うと、オルガンがサウンドの重要な柱だったということが言えるのでしょうね。


     


 ぼくの思い入れが強いのは、デビューから、ヴォーカリストのデヴィッド・バイロンが脱退した1976年までのユーライア・ヒープです。この頃のメンバー、バイロン(vo)、ミック・ボックス(g)、ケン・ヘンズレー(keyb,g)、ゲイリー・セイン(b)、リー・カースレイク(drs)のラインナップが、自分の中でのヒープのベスト・メンバーです。
 この頃のユーライア・ヒープの曲でぼくが好きなのは、
 「ジプシー」「レイン」「安息の日々」「魔法使い」「スウィート・ロレイン」「連帯」「サンライズ」「幻想への回帰」などです。
 ライヴで聴くことのできる「ロックン・ロール・メドレー」も、とてもカッコ良いものでした。
 初期のヒープはブラック・マジック(黒魔術)のイメージを積極的に曲に持ち込んでいたので、タイトルには「魔法」とか「悪魔」などの文字が目立ちますね。


    
 『対自核』(1971年)        『悪魔と魔法使い』(1972年)


    
 『魔の饗宴』(1972年)      『ユーライア・ヒープ・ライヴ』(1973年)



 ユーライア・ヒープはメンバー・チェンジがとてもひんぱんです。
 1980年にサウンドの一方の柱であるケン・ヘンズレー(keyb,g)が脱退してからは長い低迷期に入り、一時はバンドは解散状態になったこともありましたが、ただひとり残っていたオリジナル・メンバーのミック・ボックス(g)がバンドを維持させるために奮闘を続け、1980年代後半にはついにメジャー・シーンへの復活を果たします。
 その後はメンバーも固定していて、サウンド的にも円熟したハード・ロックを演奏し続けています。


     
     現在のユーライア・ヒープ


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コメント (4)
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