アイフェス。春期に向け『ホット・チョコレート』の稽古進行中。既成台本に取り組むのは県立伊丹高校演劇部としては初めての試み。「既成をするなら、自分たちの作品としてしっかりやりきる覚悟や準備が必要」って講評はよく聞く話。そうなのです、よくできた台本だからといって、そのまま何の挑戦もなく漫然と舞台に上げるわけにはいかないわけで…。ましてや再出発を誓った僕たちにとっては、課題を見つけてトライアンドエラーしてみるのは必然なわけで…。
そこで今日は稽古場にこんなセットを組んでみた。横幅3間、奥行き2間半のエリアを区切り、周囲を囲むように客席を設置。キッコの部屋はその真ん中に。正面からだけではなく360度あらゆる方向から舞台をのぞき見られるようにしてみた。ベッドに寝転んでも、座卓に集まっても、向かい合った二人の会話でも、常に360度あらゆる方向から、呼吸さえ伝わるような距離で見つめられる。小さな嘘でもすぐばれる。そんな舞台を作った。
しばらく稽古場を離れた昼下がり。僕が戻るとまるで彼女らはミーティングをするかのように演じていた。キッコの部屋に紛れ込んだかのような一瞬の錯覚を覚えた。面白いかも…。それはドールハウスの中に広がるリアルな調度品を眺めた時の気持ちに似ていた。
まだ薄ら寒い稽古場に新鮮な空気が満ちてきた。自己完結とお約束のやりとりが、役者同士のコミュニケーションにちょっとだけシフトし始めた。散漫な空間に満ちるエネルギーレベルがある濃度を超えると、そこに継続しいて燃え続ける世界が始まるのだと思った。
そこで今日は稽古場にこんなセットを組んでみた。横幅3間、奥行き2間半のエリアを区切り、周囲を囲むように客席を設置。キッコの部屋はその真ん中に。正面からだけではなく360度あらゆる方向から舞台をのぞき見られるようにしてみた。ベッドに寝転んでも、座卓に集まっても、向かい合った二人の会話でも、常に360度あらゆる方向から、呼吸さえ伝わるような距離で見つめられる。小さな嘘でもすぐばれる。そんな舞台を作った。
しばらく稽古場を離れた昼下がり。僕が戻るとまるで彼女らはミーティングをするかのように演じていた。キッコの部屋に紛れ込んだかのような一瞬の錯覚を覚えた。面白いかも…。それはドールハウスの中に広がるリアルな調度品を眺めた時の気持ちに似ていた。
まだ薄ら寒い稽古場に新鮮な空気が満ちてきた。自己完結とお約束のやりとりが、役者同士のコミュニケーションにちょっとだけシフトし始めた。散漫な空間に満ちるエネルギーレベルがある濃度を超えると、そこに継続しいて燃え続ける世界が始まるのだと思った。