無垢フローリング塗料比較その４（最終回）

これまで３回に渡って、無垢フローリングの塗料比較するための実験をお伝えしてきました。
現実的には約５日をかけて実験していたわけです。
この変人ぶりには我ながら驚きます。
今回、これらの実験結果をもとに塗料を決めます。
これまでの実験の様子はその１、その２、その３からどうぞ。

ご注意いただきたいのは、今回実施した実験は一施主が興味本位も含めて実施したものであり、
必ずしもそのやり方が最適ではなかったと思います。
そのことを踏まえて、検証結果をお読みください。

検証の手法として、塗料別に実験結果での特徴をまとめて、塗料力（造語）をつけながら進めていきます。

①蜜蝋ワックス（小川耕太郎百合子社）
ホームページで国産蜜蝋自然素材を前面に押し出されているだけのことはあります。
塗装後の質感や触感はピカイチでした。
蜜蝋なのにサラサラしたフローリング表面には、お世辞抜きで惚れ惚れしました。
欠点としては塗装作業が大変なことが挙げられます。
他の塗料と比較すると、今回使用したＣタイプの塗料は伸びがなく、押し付けるように力を入れないと十分に伸びてくれません。
また、蜜蝋の臭いも他塗料よりは強いものでした。
これについては、乾燥すればほとんど気にならないものになりましたけど。
それから、防汚性についてですが、全体的に少し弱いかなという気がします。
実験結果にあるように、オリーブオイルについては成分のゴマ油と親和性が高いのか、
オリーブオイルが奥深くまで浸透してしまいました。
この塗料についてはそれが正常な結果なのかも知れません。
まぁ、キッチンにでも敷いていない限りはオリーブオイルがフローリングにこぼれるなんてことはないでしょうけど、
前回も書いたように、子どもの大好物、スナック菓子は天敵でしょう。

総括すると、塗装の労力と汚れたときのサンダーがけと再塗装さえいとわなければ、無垢フローリングの特性である触感・素材感を失わず、
ある程度の防汚性が期待できる塗料だと言えるでしょう。
我が家の独断と偏見でつける塗料力は・・・６点です。あ、１０点満点ですので。

②ユーロ蜜蝋ワックス
蜜蝋ワックスなのにオイル系塗料と変わらない塗りやすさがあります。
ハケにつけてシュルシュルと塗れる容易性は魅力ですね。
ただ、塗り終わって乾燥しても表面のベタつきが残ります。
カットサンプルが小さいので塗り過ぎている可能性も大ですが、少なくとも他の塗料よりはサラサラ感は味わえませんでした。

総括すると、手軽な労力で蜜蝋ワックスの強力な防汚性を味わえる塗料、と言いたいところなのですが、防汚力については他のオイル系塗料とそんなに変わりません。
おまけに、無垢フローリングの素材感は弱められてしまいます。
我が家の独断と偏見でつける塗料力は・・・５点です。もちろん、１０点満点だよ～ん。

③ユーロオイル
塗りやすさ、塗装後の触感、防汚性、どれを取っても平均以上の塗料です。
塗った後からスッとフローリングに染み込んでいって、素材感もほぼそのまま残っています。

総括すると、無垢フローリング塗料のオールラウンダーと言えるのではないでしょうか。

我が家の独断と偏見でつける塗料力は・・・７点です。しつこいですが、１０点満点なのだ。

④オスモフローリングクリア
噂で聞いていたとおり、防汚性は高いのですが、他塗料と比較してズバ抜けているわけではありません。
３分ツヤという商品なので、ツヤが出てしまったのも残念でしたが、同商品で速乾性のツヤ消し塗料はあります。
塗りやすく、ムラにもなりにくく、お手軽な塗料と言えるのではないでしょうか。

総括すると、無垢フローリングにしたいけど汚れるのはイヤ。そのためには多少素材感が落ちても構わない。
という考えなら当てはまる塗料かと思います。
ただ、個人的にはこれならウレタン塗装でもいいのでは？と思ってしまいます。
我が家の独断と偏見でつける塗料力は・・・６点です。さすがにご存知かと思いますが、１０点満点ニャロメ。

⑤リボス／メルドス
間違って針葉樹用の塗料サンプルを取り寄せてしまったにもかかわらず、大健闘でした。
塗りやすさ、塗装後の素材感、防汚性、どれをとっても平均はキープしています。
ただ、若干気になるのが、塗装後の色でした。
もともとサンプルは赤みの強いさくらだったのですが、その赤みが他の塗料に比べると、心なしか強くなったような気が。。。
前回の写真でもはっきりわかるくらいに赤いですよね。
これはｍｅｒｃｙ邸ではＮＧですね。

総括は。。。樹種の異なる塗料なので、フェアーじゃないためあえてしません。
我が家の独断と偏見でつける塗料力は・・・採点不能。なので関係ないのですが、１０点満点だベシ。

さて、我が家で採用を決めた塗料ですが。。。。

ユーロ（オイルクリアー）です！

最重要視していた防汚性はオスモやリボスとほぼ同程度の能力があります。
塗りやすさはもちろん、塗装後の素材感も平均をクリアしています。
最大の決め手は、そんな良好な実験結果にもかかわらず、その値段の安さです。
オスモやリボスと比較しても、１／３程度の費用で済むんですね。
そこまで安いと、多少不安にもなったりしますが、安全基準Ｆ☆☆☆☆を取得しています。
なのに何でこんなに安いのでしょうか。
逆にオスモやリボスが高すぎるのかも知れません。

４回に渡って無垢フローリングの塗料を検証してきました。
やってみてよかったと思います。
当初は、ネームバリューからオスモかリボスか、という考えでしたが、
この実験のおかげで、遜色ない塗料でずっとリーズナブルな塗料に決める勇気が出ましたからね。
では。

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