仏さまの中にはランクづけがあります。極々、簡単に申し上げますと、まず悟りの境地に至って真の仏となられた如来と
呼ばれている仏さまがおられます。大日如来、阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来。。。などがその如来様です。
次に如来の前の段階で、いずれ如来になるだろうとされるのが菩薩と呼ばれる仏さまです。
観音菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、文殊菩薩。。。などの菩薩様がおられます。
このほかに仏教の守護的な役割、教えを聞かないものたちを救済し仏教に向わせる役割の
仏さまがおられます。不動明王や帝釈天、弁財天などの明王、天と呼ばれる仏さまです。
もっとも、菩薩や明王などは本当は悟りを得ているのだけれども、、あえて如来にならず
人々の中に入って救済が出来るようにその位に留まっておられるのです。
そのような仏さまの中で大日如来は密教の中心をなす仏さまで宇宙の根源とされている仏さまです。多くの仏さまを精密に描いた
曼荼羅では中心にどっしりと座っていらっしゃいます。大日如来は梵語でマハーヴァイロチャーナ。「偉大なる遍く光り輝くもの」という意味の
仏さまです。そこから太陽が闇をくまなく照らし、その光は永遠不滅であり、しかも影をつくらないことから、大日如来と
訳されました。太陽と大日如来を比較すると非常によく似ておるのですが、大日の慈光は太陽より以上の功徳がありますので
特に日の上に大の字を加えて大日如来となります。摩訶毘盧遮那、大毘盧遮那とも表記されます。
われわれ、真言宗は大日如来を教主、すなわち信仰の主体とし、根本のご本尊様として尊信するのであります。
広く言うなれば一切の仏教、それ以外の宗教も皆、大日如来化導の現われでないものはひとつとして存在しません。
さらに言うなれば、いわゆる峰の松風も、谷川のせせらぎも、ほろほろとなく山鳥の声も、みな大日如来が私たちを安楽の世界に
導かんがための手立てとして現し給うた説法の声であります。すなわちすべての根源が大日如来である。
いま、あなたの回りにあるすべてが大日如来なのであります。
合掌
命光不動尊 http://www.meikoufudouson.jp/