アインシュタインが住んでいた場所というのは研究所の人以外は殆ど知られていなかったようですが
その近くにたまたま住んでいた学校の先生は知っていました。
ある日、その先生のクラスで算数が全く出来ない生徒に
「なぜ、ちゃんと勉強しないの?あなたの家の隣に算数がすごく得意な人が住んでるのに」
と言ったのです。
その生徒はもちろんその人が誰なのかは知りません。だから
「そっか、隣のおじさんに教えてもらえばいいんだ」と思い、早速隣の家を訪ねました。
「おじさん、学校の先生が隣のおじさんはとても算数が得意だからと言ってたので、教えてください」
と頼んだのです。
すると、アインシュタイン博士はとても忙しいのに、その生徒に算数のことをいろいろと教えてあげました。
しばらくすると、その生徒があまりに算数が出来るようになったので先生は不思議がって
「よく算数ができるようになったね」と言うと
「先生が教えてくれた、あのおじさんに教えてもらったんだよ」と言うのです。
それを聞いた先生は驚きました。
そしてその生徒の母親に
「大変なことになりました、私はそういう意味でいったわけじゃなくて、ただ隣にアインシュタイン博士が
住んでることを自分が知ってると言いたかっただけなんです」
と言いました。
これは困ったことだということで先生とお母さんはアインシュタイン博士の家に謝りに行きました。
すると、「いいえ、なんのこともありません、私は何も教えてないですよ。反対にいろんなことを
教えてもらいました。教えてもらったのは私のほうなんですよ」と言ったのだそうです。
やはり、偉大な人は人間が出来ています。
人間ができていないと小学生が質問しても大きな態度をとってしまい、忙しいから邪魔するなと
怒ってしまうことでしょう。
こうした謙虚な生き方を見習いたいですね。
こういう人だから、子供からもいろいろと学べるのでしょう。