植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

石印材を分類し整理しようと思う その1

2023年09月13日 | 篆刻
篆刻の公募展出品という、人生初めてのチャレンジが第一弾として「全国書道展」でありましたが、先日、作品の印と、落款やら印文説明を書いた台紙としての書を、師匠に当たるS先生に送ってひと段落しました。後は先生がその半紙に、ワタシの彫った二つの大印を捺して、所定の申込書に千円を添え、社中(会派)からの団体扱いの作品群に混じって提出されると聞いております。もう私の手から離れたので、終わったと同じ事になります。

次に予定される「日展」への出品は、10月10日が提出期限であります。既に提出予定の篆刻印は仕上げて、先生へ郵送し、そのあとどうなっているかは存じません。たしか半紙大の額装にして12千円の出品料が必要になるはずなのですが、まだひと月近くあるので慌てることもなし、先生から何か言ってくるでしょう。どのみち、入選などは夢のまた夢、およそ500件以上の本職の篆刻家さんなどからの応募があって、せいぜい40~50人くらいしか選ばれないのです。初めて応募する無所属でなんの実績もないワタシの作品など、見ないままで書類審査で落選確実なのです。

まぁ、そんなところなので12千円は勉強代・授業料なのでどうということもなし。気楽なものです。

そこで、懸案であったというか、ちょいと手が空いたので、まとまりなく積み上げ押し込んでいる数千の石印材を整理してみようというわけです。常人では理解できない特異な才能や行為をするワタシクラスになると(爆笑)、普通の人が難なくこなすことが全く子供レベルになってしまう、というのが良くある話であります。

ワタシの苦手なものは幾つもありますが、中でも突出してダメなのが「整理整頓」「掃除」であります。ワタシの仕事場は、基本家内も立ち入りしない(家内はきれい好きなので近寄ろうとしない)、ワタシだけの秘密基地であります。そこに100本以上の書道筆・数万枚の書道紙・硯・墨などの書道用品と石印材4~5千個、篆刻・書道関連書籍などがいたるところに放置されているのです。

石印材は、一個10万円以上するものからタダ同然のものまで千差万別であります。自分が摸刻・練習で彫ったものだけで500個以上あり、これに2千個くらいの未刻印・人様が実際に使っていた中古印、プロの手になる要保存の美しい印、骨董価値や歴史的な意味のある古印などが混在しております。「田黄・鶏血石・芙蓉石」の3宝と言われるような高級印材だけでも千個ほどあります。

また、美しい紐(持ち手側の飾り彫)や丁寧で美的に優れた薄意(印の周囲に薄く描いたような浮彫)が施され、磨き上げられた鑑賞にふさわしい美材も数多含まれております。もし、それらをきちんと鑑定すれば平均でも1,2万円はするような石がゴロゴロ、そこらに積み上げられているのです。

およそ3年にわたってヤフオクで落札したものばかり、いつのまにかこんなことになってしまいました。1件、1個から数十個まとめて、まで、原則として一件1万円以内の落札ですが、週平均でだいたい3~6件、月に直せば20件位は落札してきたと思います。年間300件近い落札を3年間続けたら千件!!!
一件当たり平均落札価格が5千円ならば、500万円という途方もないお金をヤフオクに使った、という計算になります。

だから、実際にワタシの仕事場には4.5千個の石が転がっているというのが真実味を帯びますね。しかしながら、自己弁護しますが、石は腐るものでなく、ずっと実用として活用できます。これまで人に彫って差し上げてるのも、少なくとも石代くらいにはなっているのです。また、所有している石の何割かは、必ず数千円以上するような値打ちものなので、ヤフオクあたりでコツコツ出品していれば投資額の半分以上は回収できる(はず)なのです。

つまり消費(浪費)したのではなく仕入れといってもいいのです。いわば、小口積み立てみたいなもの、あるいは余った毎日貯まった硬貨を貯金箱に投入していると思えばいいのです。

さて、その石の整理でありますが、大きくは値打ちがあって彫る対象にしないもの、そのうち潰して篆刻するもの、全く未刻の石で、依頼があればどんどん彫るものに分けて考えます。そのために最も大事な要素が「石の種類」と時代であります。高級印材、つまり美しく磨かれ、彫りやすく、希少な石の種類を分別することと、その石がいつ頃に印材として世に出たのか、ということであります。

数百年前から篆刻用の印材として盛んに掘り出されるようになった頃は、まだ美材が多く篆刻家さんは、その良質な石材を職人に磨かせ、薄意や紐を刻ませていたのです。だから古い時代の石は、とても質が高くて価値がある、そして希少価値があって美しいから石全体を磨き細工を施してきたのです。
その石が田坑(長い間土中に眠っていた丸石)、水坑(山の岩肌や洞穴から崩れたりした石が水中で磨かれ変質してきた)で、ブランド石を多く産出する山系の石ということを特定できればさらに価値が上がります。寿山系ならば杜陵坑や高山・芙蓉山・善伯洞などです。

石の分類・整理というのは、そこを知らないと先に進まないのです。
本来ならば本日はその印材の王様、「田黄石」について説明する予定でしたが、例によって頭も文章も整理が付きません。
本日はこれまでといたしましょう。

因みに、今回の一連の石印材の紹介にはミステリアスな石がいくつか登場しますから楽しみにしてくださいね 例えばこんなの↓

コメント
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