植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

チユウキンレンの株分けをいたしました(保存版)

2023年09月21日 | 植物
ワタシが園芸にのめり込むようになって10年ほど経ちました。そのかなり初期にネットで珍しい花として見つけたのが「地湧金蓮」(チユウキンレン)でした。中国の奥地に育つ芭蕉科の植物で、非常に大きな黄色い花(実際は愕)を咲かせ、一旦咲き始めると半年咲き続けるのであります。

その花付きの鉢植えをたしか1万円位で購入したのです。しかしながら、翌年以降は全く花をつけることなく、5年経過、うーむこれはどうやら鉢植えでは花が咲かないか、と思いいたったのです。そこで、よく鉢を見ると子株があちこちから伸びてぎっしり、恐らく根も鉢の中に詰まっているだろうと思いました。そして、いきなりその鉢植えをなんの知識も予見もなしに株分けするという暴挙に走ったのが4年前でありました。と、実は当てずっぽうで書いたのですが、本当に4年前でしたΣ(゚Д゚)
2019/10/15 これがその記録です。

で、その翌年の春に、本株であった一番大きい株を地植えしたのです。この時余った小さい株の鉢を知り合いのカナちゃんの花屋に持ち込んだら、その日にすぐ2鉢とも売れたそうです。(1個700円ですから超お買い得だったのでしょう)

そして遂に2022年、地植え後2年で待望の開花を見ることが出来ました。

一方株分けした残りの鉢植えや実生で育っている鉢植えがまだ3個ありまして、適当に水やりしているだけですが、いまだに元気に成長しております。そこで、知らない女性からこの植物を分けてほしいと言われたのを機に、2度目の株分けを実施することにしました。

ここからが「保存版」チユウキンレンの株分け、であります。
まず、その前提条件は鉢植えで、4,5年経過し葉っぱは茂っていること、主幹部分以外に数本の株があり、鉢底から根がはみ出る程度まで育ったていることにいたします。
【ビフォー】

ここまでくるとなかなか厄介ですが、まぁ仕方ありません。
用意するものは、株分け後に入れる鉢で、ありあわせでいいのですが、出来れば25センチ以上の径がある7.8号の鉢数個です。これに、用土は一般的な「草花などの培養土」で間に合いますが、ワタシはこれに黒土・赤玉土・腐葉土(またはたい肥)・鹿沼土を加えます。


まず鉢に十分水をやって土を柔らかくしておきます。次に、これの側面をゲンノウなどでごつごつ・ゴンゴンと叩いて内側の鉢(プラスチック)と根や土を剥離させます。パンパンに膨らむほどになると、簡単にはがれず、最悪の場合は元の鉢を割る覚悟が必要です。これに隙間に金属の細い板などを差し込むという手もあります。

ある程度ほぐれれば逆様にして、土と株の自重で抜けてくればしめたものです。
↓これが抜けてきたものです。ここでは逆様にして地面に直接落ちて葉や茎を傷めないことが重要です。
次に、ホースのノズルをジェットにして、土を洗い流します。根が全体に回っているので、丁寧にかつ忍耐強く土を落としていきます。

ある程度周りの土が無くなって根っこばかりになりました。
ここからが大事。カッターナイフや包丁などで切り離しの作業になります。これを、周りの小さな小株からすこしづつ剥がすというのはやめておきましょう。茎がちぎれて根っこや地下茎がくっついたままになります。
一番主になっている元株とくっついている大きめの株に水を注いで出来るだけ土を除いたら、その下の地下茎に切り込みを入れるといいです。または土が綺麗に取り除けていれば両手を突っ込んで、2つの株を力任せに引っ張って切り離すのがベストと言えます。

後は、子株たちをそれぞれ株元を切断しない(根っこが付いたままに)分けていきます。
こんな感じです。

それからは、用意した用土を鉢の底に敷き、株をそっと上に置いたら、用土を周りから足して埋めていきます。ワタシの場合は、鉢底から上に向かって赤玉土、たい肥、黒土・培養土、鹿沼土という順に層を作りますが、そこまでこだわることもありませんね。

作業を通じて注意すべきは、出来るだけ根を切ったり痛めたりしない事、過剰に強い肥料は与えない事であります。また、地下茎から外れた(切れた)葉っぱだけの根の無い株は植えても枯れてしまいます。少し薄めに作った消毒液を加える、根の成長を促す発根促進剤(メネディ―ルなど)とさらに結構。またコガネムシの幼虫が入らないよう「ダイアジノン」をぱらぱらと撒くのもお勧めであります。

出来上がりがこれであります。根を下に伸ばし安定させるためにやや背の高い鉢を使いました。

右端の鉢は、このチユウキンレンが我が家に来た時からのもので、8年以上使っておりますが、縁起を担いで今回も一番の主幹を植えました。
心配なのは、少し前回と比べて1か月時期が早い事(いまだに夏日です)です。あまり高温が続いて水をやりすぎると根腐れの心配があります。

これで、冬になると葉っぱは枯れますが春には芽吹きます。1,2年様子を見て大きな鉢に植え替える、あるいは地植えすると数年後には目が覚めるような美しい金の花が咲きますよ。


コメント
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