植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

お向かいさんにお迎えが来た、自分はまだお迎えが来る前にやるべきことがある

2023年09月15日 | 雑感
先日、裏のおばさんが亡くなりました。享年93歳で、年齢に不足はありません。1週間くらい前から危篤だと人づてに聞いてはおりましたが、実際にそうなってみるとやはり残念で寂しいものです。

彼女の旦那さんは、うちの先代の従兄で、全身に入れ墨を彫っていました。若いころはだいぶそれなりに悪さをしたのでしょうか。もう30年近く前に亡くなりました。自分の事を「オレ・オラ」と呼ぶその奥さんは、まさに姉御肌でべらんめぇ調、それでも二人の娘さん青女手一つで学校にやり嫁に出して、ずっと一人暮らしでありました。

元気のいいおばさんは、口も達者なら喧嘩早く、好き放題に生きていましたが、どこか憎めず、80歳過ぎても知らないおじさんなどが出入りしていたようです。おばさんの様子がおかしくなったのが、90歳手前で、「老人性の認知症」の症状が出てきました。そのうち毎日のように警察に電話して「泥棒が入った、モノが無くなった」などと騒ぎを起こすようになりました。並行してガンがみつかり、手術も出来ず余命2年などと診断されるに至って、いよいよ一人でほおっておけないとなり、1年ほど前から「施設」に入所しました。

住んでいた20坪ばかりの家は借家で、家財も運び出しましたが、庭木はそのままなので、ここ1年間だれも手入れしないままユリやバラや菊が花を咲かせておりました。今は朝鮮朝顔の青い花が咲いております。面倒をみていたお向かいのMさんの奥さんには、何かあった時のためにお金を床下に埋めてあるとか絨毯の下に隠してあるとか言っていたそうです。ボケて家を明け渡す時、お向かいさんはそれを覚えていて、これはもしかするとと思ったんですね。娘さんにそのことを伝えたところ、敷物の下から封筒に入ったお金がいくつも出て来て100万円くらいあったそうです。

そのおばさんが、亡くなって明日がお通夜であります。ワタシの家の周りだけで、8軒のお隣さんがいます。その中の数人が参列するそうです。8軒のうちご主人が亡くなった家が5軒になりました。まだMさんは50代の後半、うちのまん前の家の旦那さんはワタシより少し上くらいでしょうか。男だけで言えば、順番からすると次の次がワタシの番になりますね。

年寄りばかりの町内で、まだ若いつもりでいたのですが、いつのまにやら見渡すと爺さん婆さんの仲間入りをしております(笑)。

最近では、もうカウントダウンが始まっているのだ、現在68歳、せいぜいもって20年、下手をすれば10年くらいかも、としみじみ思うのです。こんどの11月には以前勤めていた金融機関のOB会が行われワタシが世話人をいたしております。その支店長が3年前に亡くなり、一時ワタシの直接の上司であった方も同じころ亡くなりました。また、当時20代前半であった若い女子行員が10年くらい前に亡くなったと連絡を貰ったときはさすがにショックでありました。色の白いきれいな娘さんでしたが、40代で亡くなったのです。

OB会はその亡くなった会長を偲ぶ会として開かれます。出欠連絡には、入院して手術したとか、病院の検査が入ったとかで欠席の通知がありました。ワタシがその支店に在籍したのは30歳~35歳の頃です。支店には40名くらい(転出入による入れ替えがあるので実際は累計60名位)が働いていたでしょうか。あれからもはや33年経過しています。この間、亡くなった人や退職して行方知れずの人は10人以上になっています。

人と出合いがあれば人との別れもある、生まれたら必ずいつか死ぬ。そんな理(ことわり)が身に染みる歳回りになりました。しかし、まだやることが幾つかあって、もう少しこの世にいたいのです。

①残された時間をどう生きるか
②断捨離などで自分の身辺整理をすこしづつ行う
③自分が生きた証がどんな形で残るのか(何を残すか)
④誰にも迷惑をかけないで最期を迎えるにはどうするのが最善か

そんなことを毎日考えております。今はせっかく始めた「篆刻」で、いっぱしの篆刻家としてのポジションまで登るために、公募展へ出品し入賞という結果を残すこと、できれば日展入選が最高の結果になります。
それが成就したなら、石印材をもう少し深く研究し、印材の愉しみ方と石の種類の分類法などを本に著わすことが目標になっております。あぁ、石印材の故郷中国福建省にも行きたいなぁ。
同時に片端から植えた植物たちをすこしづつ始末をつける、屋上にいる数千匹のメダカの行く末も心配であります。印材は保存すべきもの・コレクションとして残すべき希少な石を除いて、処分する、を始めようと思います。

先に旅立ったおばさんに、何十年か先に、もし家内がいずれ逢うことになったら、「K子(家内)よ、お前よー、いい旦那に恵まれたな、案外立派だったじゃねぇか」と言って貰えるよう、もうひと頑張りせねば、と思う朝なのであります。
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