すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【分析コラム・リーグ杯】遠藤航とマクアリスターは対照的だ ~ボーンマス 1-2 リバプール

2023-11-02 10:36:46 | イングランド・プレミアリーグ
スペースを埋め無難にパスを捌いた遠藤

 11月1日にイングランドリーグ杯(カラバオカップ)の4回戦が行われ、2点を取ったリバプールがボーンマスに競り勝った。遠藤航がアンカーで先発し、後半には遠藤は退きマクアリスターが登場した。

 雨の中の試合。遠藤は4-1-2-3のアンカーでプレイした。レッズは31分にエリオットが打ったミドルシュートのこぼれ球をガクポが押し込み、先制に成功する。

 続く63分にはボーンマスのクライファートにCKからのシュートを決められ同点になったが、70分にダルウィン・ヌニェスが左サイドからカットインし素晴らしいゴラッソを豪快に決めリバプールが勝利した。

 興味深かったのは、前半はアンカーを遠藤が務め、後半はマクアリスターが同じポジションでプレイしたところだ。そのぶん両者のプレイスタイルの違いが鮮明に浮き彫りになった。

 まずポジショニングだ。遠藤は最終ラインの前のスペースを埋めることに注力していたのに対し(いかにも本職のアンカーが考えそうなことだ)、一方のマクアリスターはチャンスと見ればポジションを捨てても攻撃を優先していた点だ。

 両者のコントラストがはっきりして興味深かった。

 ただし遠藤は安易にボールホルダーの足元へ飛び込み、カンタンにかわされるシーンが数回あった。リーグ戦でも見られるシーンだが、あそこは修正する必要があるだろう。

キラーパスを出したマクアリスター

 一方、攻撃面での比較はどうか?

 まずポジショニングについては、遠藤は昔で言えば「リンクマン」(前と後ろを繋ぐ役割)に徹し、足元で受けたボールを無難にグラウンダーのパスで横や前へ繋いでいた。

 文字通り、守備陣と攻撃陣を「リンク」させる役割だ。

 かたやマクアリスターはといえば、象徴的だったのはアンカーの深い位置でボールを受け、顔を上げて最前線のFWサラーに向けて浮き球のやわらかいロングパスを通したシーンだ。

 マクアリスターはもともと攻撃の選手なので、こういう一発で試合を決めてしまえる攻撃的なパス出しができる。

 彼は遠くが見えており、ゴールを取るまでのルートを瞬時に頭の中で描ける。ただしそのぶん、守備は得意じゃない。

遠藤は「攻撃性能」でマクアリスターを上回れるか?

 単純に両者を比較すれば、遠藤はマクアリスターがサラーに通したような決定的なラストパスを出すのは難しいだろう。守備に重きを置く選手なのだから当たり前だ。

 ただし監督のクロップは、明らかにマクアリスターのそういう攻撃的なセンスを買ってアンカーのレギュラーポジションに置いている。

 とすれば遠藤がポジションを掴むには、マクアリスターのような「攻撃的なパス」が出せるようになるか? あるいは逆に、そのぶん守備で決定的にチームを助ける役割を果たすか? のどちらかだ。

 遠藤のプレイスタイルを考えれば後者のほうになるだろうが、ただし守備における活躍だけでマクアリスターを上回るのはやはり難しいかもしれない。なによりクロップの目に映るインパクトが違う。

 とすればやはり遠藤はクロップから求められている、鋭い縦パスを配給するなどの「攻撃性能」を地道にアップさせていくしかないだろう。

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