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寂しさの力

2015-03-20 09:19:11 | 歌う

             >  寂しさの力  <

♦ しろがねのスプーンを磨きいて寂し、才能とうは天つ賜物   松井多絵子

 『寂しさの力』という本の広告が目につく。著者は中森明夫。明菜ではなく明夫である。
作家であり、アイドル評論家でもある。◉ 成功は、さみしさから生まれる。というキャッチフレーズ、「成功は寂しさから」 という書名でもいいのにと私は思うがやはり 「力」 は読者を掴むのに必要なのか。

♦ 淋しいとウサギは死んでしまうのかペットショップにウサギはいない

 辞書で 「さみしい」 は寂しい、淋しい、とは特に区別されてはいないが、私は「淋しい」は気軽に詠めるが、「寂しい」は詠みにくい。寂滅などに繋がり重い言葉になるからだ。寂しい人たちが世界を変えるという著者の説は肯定できる。社交的でつねに仲間と繋がっているひとより引きこもりの歌人の作品のほうが私は好きだ。ウオルト・ディズ二ーも坂本竜馬も強烈な「寂しさ」の持ち主だったことに注目して、中森明夫はこの本を書いたらしい。アイドル評論家として出会った酒井法子や山口百恵らは、複雑な家庭に育った人が多く、著者は芸能界を 「寂しさの王国」 であると思っている。

 一日の半分は一人で過ごさないといい作品ができないと言った歌人がいた。自分自身を楽しませることのできるひとこそ最も優秀な人間だと書いた作家もいた。他者の栄枯盛衰や思惑に振り回されていてはダメだ。自分の世界を充実させれば良い作品が生まれるのだ。
寂しい人ほどよく生きている。寂しい人たちが世界を変える」ことを信じて、中森明夫は4年の歳月をかけてこの本を書いたそうだ。「物書きとして30年間やってきたことを全部出せた。書き終えて人生がリセットされたような心境」らしい。

     ♦ 打たれても打たれても出る杭となれシャープペンシル握りていたり 

                          3月20日  松井多絵子 



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