「四代目の俳人たち」
朝日歌壇と俳壇のはざまのコラム、今週は田中亜美さんが「四代目の挑戦」を書いている。
高浜虚子の流れをくむ結社の主宰の交代が相次いている。◆「ホトトギス」は稲畑汀子から長男の廣太郎へ、日本最大の俳句誌は34年ぶりの交代。 廣太郎は1957年兵庫県生まれ。高浜虚子のひ孫である。合資会社ホトトギス勤務。クラシック音楽が好き。
★ アンダンテカンタービレの春時雨 稲畑廣太郎
虚子の次女の星野立子がはじめて娘の椿が継いだ◆「玉藻」は長男の高士が継ぐことに決定
星野高志は昭和27年神奈川県生まれ。繊細な詩情の漂う花鳥風月詠。
★ 引鶴の雲に紛れて無尽蔵 星野高士
坊城俊樹は虚子のひ孫、昭和32年生まれ。◆「花鳥」の主宰である。あくまで写生に徹しながらも、おかしみを誘う次のような句がある。
★ 丑三つの厨のバナナ曲るなり 坊城俊樹
この三人はみな虚子のひ孫であり、五十代から六十代の働きざかりである。「三人とも虚子の理念を受け継ぎながら、どこか現代人らしいエッセンスをその作品に盛り込んでいる」と田中亜美は述べている。三人の女の主宰から三人の男の主宰に変わったことは面白い。会員たちの作品にどのような変化が現れるか、虚子の作風が棒のように貫いてゆくだろうか。
浮き雲のようなり我の去年今年 ことしは始まったばかりですがたぶん私は浮雲
1月28日 松井多絵子
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