以前から見たかったのですが、今日は午後にまとまった時間があったので、レンタルして来て見ました。
やー、泣けた!主人公のシズオにではなく?(笑)友人の宮田(生瀬勝久さん扮する)の家族が再生する場面に号泣でした。離婚して月に1回だけ会えるかわいい息子。それがだんだんそっけなくなっていくのが悲しい。そこに追い打ちをかけるように元妻から「再婚するので息子のことは忘れて欲しい」と。そんなのないですよー。月に1回やっと会えるのに、それを楽しみに日々仕事をがんばってるのに・・・。
ただ、離れて暮らしていたら、今何に興味があるのかとか、好きで見ているテレビ番組さえわからない。前には好きだった食べ物を嫌いになってるかもしれないし、会話がちぐはぐになっていくのは仕方がないのでしょうね。
シズオが40歳で会社をやめて、漫画家になる宣言をした時、普通なら「無理だからやめとけ」と友人なら強く反対するはずなのに、あまりに優しい性格がゆえに、それを受け入れて、結果、自分も会社をやめて、息子の好きなパン屋になることを決めるんです。その事をちゃらんぽらんなシズオから聞いた息子が「お父さんがシズオみたいになるのは嫌だから、自分がそばにいてお父さんを見守る」と言い出す。面白いですよね。シズオに影響を受けてパン屋になると決めたお父さんと、シズオみたいになられては困るからと毎晩泣いて母親の気持ちを変えさせた息子。どちらも結局シズオ、なんです。
そのシズオはといえば、結果がむしゃらに書いて新人賞の佳作を獲っちゃうのがすごい。そこが漫画だなあ、とは思いますけど、ただただひたすらに続けることも大事だなあ、と。最終的に懇意にしてくれていた担当さんも、シズオの自由さに励まされて編集部をやめちゃって、それでデビューが白紙に戻る、というのも面白い。この大黒シズオという主人公が、周りに色んな影響を与えていくんです。「舞妓Haaaaan!!」の時の役柄にも似て、堤真一さんはこういうぶっ飛んだ感じの役がまたハマります。
社会にうまくなじめない金髪青年役の山田孝之さんも良かったなあ。占い師役で佐藤二郎さんがちょこっと出てたのにも笑った。勇者ヨシヒコ?みたいな。たまたま見ようと思う映画には、大抵濱田岳さんか橋本愛さんが出ています。
ついつい人間は、楽な方へ楽な方へ流れちゃう。それはいくつになっても。それでも人間、何とかして生きていくものなんですね。色んな人に影響を受けながら。
ちゃらんぽらんなギャグ映画と思っていたけれど、最後にはほろっとする人間ドラマでした。何といっても日活100周年記念映画。しかしよくこのテーマをそんなビッグな記念映画の題材に選んだよなあ・・・。