ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

道志ダム

2015-10-27 09:33:00 | 神奈川県
2015年10月12日 道志ダム
 
道志ダムは神奈川県相模原市緑区牧野の一級河川相模川水系道志川中流部にある神奈川県企業庁が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
神奈川県は1938年(昭和13年)に内務省の補助を受けた『相模川河水統制事業』を採択し、相模川の水資源開発事業に着手、戦争による中断ののち1947年(昭和22年)に相模川本流に相模ダム・相模発電所が完成しました。
しかし戦後の復興による都市用水や電力需要の急増を受け、県は新たに相模川支流の道志川から相模湖への導水を図るとともにその落差を利用した発電所建設に着手します。
そして、1955年(昭和30年)に道志川の取水ダムとして建設されたのが道志ダムで、ここで取水された水は流域変更して相模湖へ送られるとともに、導水路途中の神奈川県企業庁道志第1発電所(最大出力1万500キロワット)および第2発電所(最大出力1050キロワット)で水力発電を行います。

一方2000年(平成12年)の宮ヶ瀬ダムのが完成に合わせ新たに当ダムから宮ヶ瀬ダムに至る 道志導水路が新設され、相模城山宮ヶ瀬各ダム連携による相模川水系の総合運用が可能となりました。 
相模川各ダム間の具体的運用については神奈川県水資開発等概要図をご覧ください。

津久井湖から国道413号線を西進し、相模原市緑区青根で県道76号線を進むと道志ダムに到着します。
道志ダムと言う名前から山梨県道志村にあると思われがちですが、所在地は相模原市緑区、『道志川にあるダム』という意です。
 
グリーンのローラーゲート3門を備え、大きなゲートピアはいかにも発電ダムと言った体。
 
ゲートをズームアップ。
扶壁の上に円形のバルコニーが張り出しています。
 
円形のバルコニー
戦前から戦中、昭和20年代のダムに多く見られる意匠。
 
右岸から。
 
 
天端は県道76号線。
 
貯水池は奥相模湖
総貯水容量は152万5000立米ですが、堆砂が進み有効貯水容量は61万6000立米。
奥の山は西丹沢の大室山。
 
洪水吐導流部。
 
維持放流設備
河川法の改正を受けて後付けされました。
 
追記
道志ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0699 道志ダム(0012)
神奈川県相模原市緑区牧野 
相模川水系道志川
32.8メートル
74ートル
1525㎥/616㎥
神奈川県企業庁
1955年
◎治水協定が締結されたダム


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