ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

相模ダム

2015-10-27 10:21:00 | 神奈川県
2015年10月12日 相模ダム
 
相模ダムは神奈川県相模原市緑区与瀬の一級河川相模川本流にある神奈川県企業庁が管理する上水・工水・発電目的の重力式コンクリートダムです。
首都圏の人口増加や京浜工業地帯の発展を受け神奈川県は県内を縦断する相模川に着目、1938年(昭和13年)に『相模川河水統制事業』を採択し相模川の水資源開発事業に乗り出します。
そしてその中核施設として1947年(昭和22年)に完成したのが相模ダムで、当ダムの完成により県内への都市用水及び発電供給は大きく改善しました。
しかし朝鮮戦争特需を契機に日本は高度成長に突入、県内の用水・電力需要は急増を続けます。
相模ダムでは1954年(昭和29年)に2メートルの嵩上げが実施されるとともに、翌年には支流の道志川からの導水による貯水容量の拡大が図られました。
さらに1965年(昭和40年)には下流9キロ地点に当ダム貯水容量に匹敵する城山ダム、さらに2000年(平成12年)には国交省直轄事業により宮ケ瀬ダムが完成し、ここに相模、城山宮ヶ瀬各ダムの連携による相模川水系の総合運用が可能となりました。
現在の相模ダムは神奈川県・横浜市・川崎市・横須賀市への上水道用水の供給、川崎市への工業用水の供給、、神奈川県企業庁相模発電所(最大出力3万1000キロワット)でのダム式水力発電を目的としています。
相模川各ダム間の具体的運用については神奈川県水資開発等概要図をご覧ください。
また建設から70年以上経過した相模ダムでは各所に老朽化の弊害が顕在化しています。そこで県企業庁は2022年(令和元年)より相模ダムリニューアル事業に着手。
2042年(令和20年)竣工を目指し20年の歳月をかけて抜本的改修を実施します。
 
ダム湖の相模湖は合併前の町名やJRの駅名になるなど認知度が高く、湖面のみならず隣接する遊園地、周辺の登山基地として神奈川を代表するレクリエーションの拠点となっています。
神奈川県では宮ヶ瀬ダム湖と三保ダム貯水池の丹沢湖がダム湖百選に選ばれていますが、相模湖もダム湖百選に
 
国道20号線から。
下の白い屋根は神奈川県企業庁相模発電所で左上は開閉所。
 
クレストにローラーゲートを5門装備
ローラーゲートの向って左隣(右岸側)に細い排砂ゲートがあります。
 
扶壁前面にゲート操作建屋が乗る型式は同じく河水統制事業で建設された向道ダムとの共通点。
ただ相模ダムはピアに管理橋が渡されているので、見た目の印象は異なります。
向かって左手のインクラインはダム下の相模発電所への資材運搬用。
 
上流面。
 
天端は歩行者のみ開放されています。
相模湖周辺のハイキング、登山コースになっており、休日はかなりのハイカーたちが通行します。
 
天端から
右手は相模発電所。
 
導流面
向道ダムは減勢工がすり鉢になっていますが、ここは果たして?
 
ダム湖の相模湖は旧町名やJRの駅名、高速のインターなどにも採用され知名度は抜群。
総貯水容量は6320万立米。
上流の橋は国道412号線相模湖大橋。
 
相模湖大橋から
クレストローラーゲート6門、右手は発電用取水ゲート。
 
取水ゲートをズームアップ。
 
(追記)
相模ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0696 相模ダム(0014)
神奈川県相模原市緑区与瀬 
相模川水系相模川
WIP
58.4メートル
196メートル
63200㎥/48200㎥
神奈川県企業庁
1947年
◎治水協定が締結されたダム


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