ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

惣谷池(惣谷ダム)

2023-05-05 18:44:50 | 三重県
2023年4月21日 惣谷池(惣谷ダム)

惣谷(そうだに)池は三重県津市白山町上の村の一級河川雲津川水系大村川左支流にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1979年(昭和54年)に三重県の事業で竣工と記されています。
溜池自体の築造は戦前に遡るようで、これは農水省の補助を受けた県営ため池等整備事業の竣工年度かと思われます。
ダム便覧ではダムとなっていますが、ため池データベースでは『惣谷池』となっておりここでは惣谷池と表記します。
管理は受益地となる白山町二本木地区が行っています。

池へのアプローチは近鉄大阪線東青山駅となります。
駅北側が『東青山四季のさと』として公園整備されており、車でアクセスする場合は駐車料金1000円が必要。
溜池1基に1000円はちと割高・・・・


東青山四季のさと
近鉄所有の15万平米の土地に園路や花壇が整備されています。
訪問時は遠足の小学生の歓声が響いていました。


惣谷池は四季のさと東側に隣接しています。
堤高は便覧19メートル、ため池データベース15メートルと数値が異なりますが、見た目は15メートルほど
下流面はきれいに草が刈られ、今も貴重な水源であることが伺えます。


上流面はコンクリートブロックで護岸
池周辺は青山高原をめぐるハイキングコースになっており、湖面側には安全対策としてフェンスが設置されています。


天端中央の斜樋
シャフトは一本
このほか右岸副堤にも斜樋があります。


総貯水容量26万立米(ため池データベース34万立米)
田植え時期を控え満水。
奥に連なるのがリゾート地の青山高原。


右岸に副堤がありますが堤高は15メートル未満
左手は斜樋機械室。


左岸の越流式洪水吐。


洪水吐導流部
ここまではよくある洪水吐ですが…。


ダム下に下りてみると
導流部は自然の岩盤を流下する滝。


洪水吐はそのまま大村川に流下します。
写真手前側に底樋管があり、放流された水は下流の堰で取水されます。

右岸の副堤にやってきました。
堤高は15メートル未満でダムの要件は満たしていません。
こちらにも斜樋があります。


上流側から
左奥は本堤。


東青山駅東側には近鉄の旧線遺構が残ります。
こちらは旧総谷トンネル跡
1971年(昭和46年)にATSの故障によりトンネル内で特急同士の衝突事故が起き、死傷者300名を超える大惨事となりました。
ミステリースポットとして知られていますが、今は立ち入り禁止。

1280 惣谷池(惣谷ダム)(1973)
ため池データベース 242010067 
三重県津市白山町上の村
雲津川水系大村川左支流

19メートル(ため池データベース 15メートル)
85メートル(ため池データベース 133メートル)
260千㎥(ため池データベース 340千㎥)/260千㎥
二本木地区
1979年