ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

御殿ダム(御殿貯水池)

2022-04-09 08:00:00 | 香川県
2022年3月29日 御殿ダム(御殿貯水池)
 
御殿ダム(御殿貯水池)は香川県高松市鶴市町にある香川県広域水道企業団が管理する上水道用水目的のアースフィルダムです。
高松市では1921年(大正10年)に全国で40番目の近代水道が創設され、その際浄水場として建設されたのが御殿浄水場で、当初は香東川および本津川から取水が行われていました。
戦後の水道需要拡大に対処し1954年(昭和29年)に上水用調整池として建設されたのが御殿池で、需給ギャップのバッファとして香東川および元津川で取水された水がここに貯留されます。
2017年(平成29年)に高松市の水道事業は新たに設立された一部事務組合である香川県広域水道企業団に移管され、御殿池の管理も同企業団に移っています。
御殿浄水場のうち、大正時代に建設された旧浄水場は旧御殿水源地(高松市水道資料館)として整備され、施設の多くが登録有形文化財に指定されるとともに近代水道百選に選ばれています。
 
御殿池は高松市鶴市町の石清尾山西山麓にあります。
堤高17メートル堤頂長497メートルの規模ですが、池の周囲は宅地化が進み堤体を一望できる場所はありません。

総貯水容量は52万4000立米
香東川と本津川から取水された水がいったんここに貯留されます。
貯水池一帯は開放され周辺住民の散策コースになっています。


直下の御殿浄水場。


堤体中央の階段
完成当時は浄水場と直結していました。


右岸の横越流式洪水吐。
堤体中央に切欠があります。

洪水吐導水路
市街地を抜け香東川に流下します。


桜越しに
ちょっと桜は早かった。


左岸の流れ込み口
貯留の大半は香東川および本津川からの揚水ですが、周辺の小河川の水も取り込んでいます。

 
上流から
対岸に斜樋と揚水設備が並びます。
湖面にあるのは水質改善装置。


残念ながら旧御殿水源地(高松市水道資料館)は改修工事のため見学中断中。
写真の喞筒場(そくとうじょう)は1986年(昭和61年)までポンプ場として使われていた建屋で、他の施設ともども登録有形文化財に指定されています。

2067 御殿ダム(御殿貯水池)(1788)
香川県高松市鶴市町
香東川水系香東川
17メートル
497メートル
524千㎥/524千㎥
香川県広域水道企業団
1954年