ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

新中山池

2022-04-02 20:00:00 | 香川県
2022年3月27日 新中山池
 
中山池は左岸が香川県小豆郡小豆島町池田、右岸が同町中山の伝法川水系殿川源流部にある農地防災・灌漑目的のアースフィルダムです。
香川県のホームページによれば農林省(現農水省)の補助を受けた香川県営防災ダム事業により1959年(昭和34年)に既存の中山池直下に建設されました。
中山池ともども蛙子池土地改良区が管理を行い、300ヘクタールの農地に灌漑用水を供給するとともに洪水期には農地防災を行いを行います。
なおダム便覧ではダムの目的はAとなっていますが、農地防災容量の配分があるので正しくはFAとなります。

殿川ダムから川沿いを東に遡上すると新中山池に到着します。
直上の中山池同様下流面は冬場に草が刈られ、虫除けの野焼きが行われています。


天端からの眺め
受益地は遥か下流の伝法川流域となります。
当池の完成で特産の除虫菊など園芸農業への転向が促進されたとのこと。


左岸の横越流式洪水吐と斜樋。

 
下流面。


総貯水容量60万立米は蛙子池に次ぎ小豆島の溜池2番目の規模。


上流面は花崗岩の谷積みで護岸。


洪水吐導流部。


横越流式洪水吐には鋼製起伏ゲートがついています。
このフラップの高さ分が農地防災容量となります。


洪水吐越しの上流面。


直上、中山池からの眺め。

3368 新中山池 (1781)
ため池コード 373240001
左岸 香川県小豆郡小豆島町池田
右岸         同町中山
伝法川水系殿川
FA
26メートル
182メートル(ため池データベース 181メートル)
600千㎥/591千㎥ 
蛙子池土地改良区
1959年

中山池

2022-04-02 08:00:00 | 香川県
2022年3月27日 中山池
 
中山池は左岸が香川県小豆郡小豆島町池田、右岸が同町中山の伝法川水系殿川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1979年(昭和54年)に土地改良区の事業で竣工と記されています。しかし当然あとから建設されたであろう新中山池の竣工が1959年(昭和34年)ですので、これはあくまでもダム化された年もしくは確認できる最古の改修年度で、中山池の起源はもっと古いはずです。

殿川ダムから川沿いを東に遡上し新中山池をやり過ごすと中山池に到着します。
下流面は冬場に草が刈られ、虫除けの野焼きも行われています。


天端は車両通行可能
奥に林道が続いているので通行する車も多いのでしょう。しっかり固められています。


眼下に新中山池が見えます。


池の直上には護国寺というお寺があります。
真言宗の別格本山でもある由緒正しきお寺ですが、なぜか小豆島八十八箇所霊場に含まれていないため訪れる人は多くないようです。
どうでもいいことですが、宗教は信仰の世界にもあれやこれや大人の事情があるようです。
池の右岸は小豆島らしく火山角礫岩の断崖が続きます。


右岸の斜樋。


上流面はコンクリートで護岸。
堤体は緩やかに弧を描いています。


左岸の越流式洪水吐。薄く越流しています。


洪水吐導流部
越流した水は直下の新中山池に流入します。


下流面
基部は石積み。


斜樋からのパイプ
このパイプは新中山池をバイパスしており、中山池と新中山池の水利権は厳格に区別されているようです。


2170 中山池 (1780)
ため池コード 373240045
左岸 香川県小豆郡小豆島町池田
右岸         同町中山
伝法川水系殿川
17メートル
144メートル
72千㎥/72千㎥ 
蛙子池土地改良区
1979年