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世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

訂正・ワンヌア窯の印花文

2017-08-18 07:55:58 | 北タイ陶磁

どうも最近物忘れが酷いようで困惑している。ワンヌア・メープリック窯址で表採した陶片に印花文が押されていた。これを初見と記載していたが、それは誤りで、過去にサワンカローク陶器博物館で、ワンヌア陶磁の印花文を実見していたことを思い出した。これが先に紹介し、初見としていた印花文で二重円圏の外側に鋸歯文を、見込み中央にはピクンの花文を印花で表現している。

上2点の写真がサワンカローク陶器博物館でみたワンヌアの印花文で四つ菱文である。これで印花文の種類としては3点(四つ菱文、鋸歯文、ピクン花文)となるが、まだまだ存在していそうとの感じがする。奥が深いと云えば深いが、今となっては体系化するのは、困難であろう。

 


ワンヌア窯址紀行・#6

2017-08-18 07:01:00 | 窯址・タイ

<続き>

窯址と思われる場所の周辺の所々に陶片が散在していたが、その量は多くはなく、探すのにそれなりの時間を要した。写真は採取した陶片を1箇所に置いて撮影したものである。現場は下写真のように赤土土壌である。道の先に見えるのは、地主で名前をお聞きすることを失念した。J・C・Shawの著作『Northern Thai Ceramics』によると、タイ芸術局によるワンヌア窯の調査で25基の窯址を現認したとのことであるが、それ以上存在していたであろうとしている。そしていずれも粘土スラブによる構築と記述されている。

してみれば、先般煉瓦構築と思われると記載したが、訂正が必要である。煉瓦構築としたのは、下の窯壁片を見たためであるが、これは焼成の熱によりブロック化したものであろうか?チェンマイ国博前庭に移築のワンヌア窯をみれば、成程と思えなくもない。ここで採取した陶片を紹介したい。

持ち帰った陶片は2点のみであるが、いずれも輪花鍔縁の盤片である。そのうちの1点のカベットを写したのが直上の写真である。鎬を形成するため掻きとられているのがお分かりであろう。最後に当該ワンヌア・ワンポン窯の名品を紹介しておく。バンコク大学東南アジア陶磁館の蔵品で、キャップションにはワンヌア窯と表示されているが、これがワンヌア・ワンポン窯の名品で青磁蓋付壺である。蓋の造形はチェディーないしは須弥山を表しているものと思われる。

 

                             <続く>