本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

新しい人材育成手法論 : プロフェッショナル#44

2007-03-23 00:42:36 | プロフェッショナル
人が育つ会社をつくる―キャリア創造のマネジメント

日本経済新聞社

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この本の概略を以下に示す。

【人材のマネージメントスタイルの変化】

この本のテーマをひとことで言うと、人材の育成の手法が之までとは変わってきているということ。
具体的にいうと、時代の変化が激しくなり、求められるスキル・ナレッジが日々変化する中で、ある特定の知識を持っているということより、それを学ぼうという「思考・行動特性=ソリューション能力」が重視されるようにいなったこと。
若者は、お金のため、生きるためというより、自己実現をキーワードに動くようになっており、これまでの管理型・ティーチング一辺倒のやり方ではマネジメントが難しくなってきているということだ。

また、成長実感の因子として、
①個々の志向性に関する因子〈以下に主体的に自分の仕事に取り組んでいるか〉
②仕事とチームワークに関する因子
③上下関係に関する因子
④組織に関する因子
と行った順序になっていることからも、個々に即したマネジメントが必要になってくる。

そのことから、抽象的な言い方をすると個々の主体性に重きを置き、「自分で判断する」「新しい取り組みを試させる」「変化のある仕事をさせる」「裁量の高い仕事をさせる」といったことが必要となる。
そのための仕組みとは、
①自己裁量度が高く、問いかけ方のマネジメントを前提とし、成果へのプレッシャーがあるマネジメント〈⇒仕事のプロフェッショナル化にもこの要素が必要になる〉
②上から下だけでなく、お互いに教えあい、高い成果のために協力し合うチームワークづくりをすること
が必要となる。

【キャリアについての考え方】

よいキャリアの条件としては、

①日々の仕事の動機を活用している
②自分の仕事の意味づけ
③中長期的成長実感
④人生全体の充実とバランス
↓*それを形作るキャリア形成能力=キャリアコンピテンシー
第一因子:主体的なジョブデザイン行動
・自分の価値観やポリシーを持って仕事に取り組んでいる
・社会の変化・ビジネスの動向について自分なりの理解をもっている
・部署・チームを超えて、積極的に周囲の人を巻き込みながら仕事をしている
・仕事の進め方や企画を立てる際に今までの延長上のやり方ではなく常に新しい発想で取り組んでいる
・自分の満足感を高めるように、仕事のやり方を工夫している

第二因子:ネットワーク行動
・常に新しいネットワーク作りに取り組んでいる
・自分のネットワークを構成する人々が、どんなニーズを持っているかを把握しそれに応えようとしている
・自分の問題意識や考えを、社内外のキーパーソンに共有してもらうようにしている

第三因子:スキル開発行動
・今後どのようなスキルを開発して行くか、具体的なアクションプランを持っている
・スキル・能力開発のための自己投資を行っている。

【総論:新たな人材育成の仕組みとは?】

1.上下関係の育成に頼らない学習する組織の構築
2.管理志向のマネジメントスタイルからの脱却
3.研修と実勢をリンクさせた思考行動特性の変革
4.戦略的スキルのタイムリーな抽出と学習行動への取り組み
5.経営幹部候補に限らない試練の組織的創出と提供
cf日産のV-FAST
6.管理職務の分解と育成責任の組織共有

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