本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

「退屈へのレジスタンス」:松山情報発見庫#154

2005-04-30 00:00:00 | 松山情報発見庫(読書からタウン情報まで)
『退屈の小さな哲学』,ラース・ヴェンセン

退屈へのレジスタンス。あのカルロス・ゴーン氏率いるルノーのホームページに載っている言葉だ。
さすがというか、皮肉なというか、本質をついているというか、いかにもフランス的な表現だと思う。
この本では、この退屈という普段あまりさして考えをめぐらさないいわば新しい概念に光を差し込むことで、哲学書を読むときに固有な脳内からいわば性的な体内分泌液を促進するというような本だ。

そもそも、人間の行動の原点として、万人の退屈がある。
退屈には実存感がない。
実存感がない状況は人は好まないし、耐えられないからこそ退屈からあらゆる行為が生まれる。

ちなみに、著者によると退屈の定義とは、
「物事自身の時間と、人がその物事に出会って過ごす時間の不均衡から生じる」という性質のものであるという。

ノルウェーの気鋭の哲学者が書いたアンニュイでいてセクシーな思索に触れることで哲学するのも悪くない。
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