![]() | 衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生大前 研一朝日新聞出版このアイテムの詳細を見る |
エピローグ:
【EUが今後強くなる明確な理由】
① 超国家の形成(加盟国による参加)が自発的であり、また参加の条件が明文化されている。
② すでに世界最大の経済力(GDP)を持ち、先進国最大の人口を持つ。
65%の交易が域内で行われており、ユーロの持つ影響力が日増しに強まる。
③ 会計のIFRS(国際会計基準)をはじめ、EU基準が世界的な標準となる可能性が高く、世界の企業にとってはその動向は無視できない。
④ マースと利七助役発行後初めての経済危機に見舞われ、その試練を受けて制度的な欠陥が浮き彫りになった。
ECB、議会、委員会などは今後さらに強靭なものへと改変される可能性が高い。
⑤ 当方展開でコスト競争力、エネルギー・資源、人材を域内で調達し、BRICsなどの巨大新興国にも十分対抗できる力を手に入れた、または入れつつある。
⑥ 過剰に供給されているドルが何らかの理由で売り浴びせられたときには、ユーロシフトが起こり、世界の基軸通貨となる可能性がある。
⑦ 今後2020年くらいまで、トルコ、ロシアなどの加盟をめぐって交渉が続けられるが、それらを内包するようになった場合には経済金融のみならず、軍事・地政学的バランスが今とは大きく変わり、アメリカのシングルヘゲモニーが揺らぐ。
⑧ 金融危機に対しては、日本、アメリカ型(20世紀的)マクロ経済政策(ゼロ金利、マネーサプライ)より21世紀型(心理経済学)を使い、車などの需要喚起に成功している。
このため、EUの自動車メーカーは世界的地位が上昇した。
結び:
ロシアが加盟すれば、EUは隣国に。
「今から超国家EU が日本隣国となる日を想定し、注目、観察、研究、
そしてなにより、肌で感じる実体験を積んでおきたい。」