この値上がりの時は予測できたのではなかったか:
今朝は、キリンビールのアサヒビールに同調するかのような10月からの値上げが報じられていた。理由は「原材料、エネルギー、輸送費等々の原価の上昇」だそうだ。少なくとも20年以上もビールをコップ一杯も飲んでいない当方にとっては何の支障も無いことだ。だが、このロシアによるウクライナ侵攻が開始されて以来3ヶ月も経ってしまった現在の「物皆上がる状態」は少なくとも予告くらいは出来ていたのではなかったのだろうか。
私の記憶違いであれば仕方がないが、あのPutinによるウクライナ侵攻が開始される前から、今日の状態を予告された専門家がいたとは思えないのだ。当方は不勉強にしてウクライナとロシアがあれほど大きな世界に向けての小麦輸出国だなんて全く知らなかった。だが、マスメディアも専門家も世界の30%以上だったかを占めている生産国だったと言い出した。そのようにご承知だったのならば、何故去る2月中にでも警告されなかったのだろうか。
私が奇異に感じていることは、ロシアがEUの諸国に天然ガスを供給していることは大々的に取り上げていたが、小麦等の農産品がこれほど急激に供給不足になるとの見通しが語られた記憶がない。少なくとも、私にとってはドイツがロシアからのエネルギーの供給が滞っても日常生活に何らの支障は無いが、パンが値上がりするのは宜しくないのだ。最早、超高齢化した我々夫婦は小食になったので多少の値上がりが生活を脅かすほどのことはないが、何故もっと早い時点で予告できなかったのだろうか。
マスメディアだって、彼らなりに予知と予告報道くらいは出来ていたはずなのに、現実に方々で値上げを打ち出すと、恰も急に知らされたかのように「一般庶民の生活に大痛手」などと報じて罪なき一般人に街頭インタビューなどして「生活が苦しくなる」などと言わせているのは無責任だし、フェイクニュース的な誤解を生じやすい報道だと決めつけたくもなる。しかも、政府は「夏場の電力供給態勢の不安」をシレッとして訴えて見せた。「何故そうなるか」を菅直人にでも解説させたら如何か。
上記は国内問題ばかりだったので、少しは国際情勢的なことにも触れておこう、Putin率いるロシアは現在のような予測不能に近い難しい状態を生み出してしまい、世界をほぼ完全に二分化してしまった。この状態になってしまったことは誠に危険だと思うが、お陰様でどの国が何れの側に立っているかがハッキリしてしまった。QUADの会議に参加した間もなく到達するだろう14億もの人口を擁することになるインドは、巧みに立ち位置を解り難くしている。かと思えば、トルコはこの期に及んでフィンランドとスウエーデンのNATO参加に否定的な態度を示して見せている。
バイデン大統領は我が国と韓国を巡回訪問されて、日米韓間の結束の強化を図られたが、中間選挙を控えて余り高くない支持率を抱えて苦労しておられるようだ。だが、「もしも中国の台湾侵攻があれば“militarily involved”か」と、女性記者に突っ込まれて“Yes.”と明快に答えられた。中国は例によって外務省の副報道官とやらが猛反発して見せた。
私は「我が国の報道機関はあのような中国の発言を後生大事に国内に向けに詳細に報じる必要があるのか。たった一言『また中国が反発した模様』程度で良いのではないか」と思う。我が国の立ち位置がどちらの側にあるかかくらいハッキリしていることはないと思うのだ。尤も、彼らは親中派的であることを示さないと、北京から追い出される危険性があるようだが。