新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月10日は忙しかった

2022-04-11 09:10:53 | コラム
初夏の暑さの中、都内は大勢の人で賑わっていた:

4月10日は、最早染井吉野も散ってしまったことと承知で、染井霊園に祥月命日よりも1日早かった母の墓参に出掛けた。好天には恵まれていたが、それよりも何よりも初夏を思わせる暑さをものともしない人出には、人々はBA.2は怖くないのかなどと考え込まされた。当方は息子の車に依存していたのだったが、気が付けば車内でもマスクをかけたままだった。

墓参りを終えた後では、巣鴨駅周辺では目当ての駐車場も寿司屋も満員御礼以上の混み方で昼食は諦めざるを得ず、儘よと築地に向かったのだった。新型コロナウイルスの襲来以来国立国際医療研究センターの主治医の厳かな「日頃の行動範囲を逸脱した外出は避けるべし」との指示を守ってきたので、新宿区を離れて都内を移動すれば恰も「今浦島太郎」状態なのだ。築地までの間は変わり果てた(?)東京都内の旅となった。都内の変貌に馴れているはずの息子でさえ「あちこちで新しいビルが建つか再開発などがあるので道標にして来た建物がなくなり、見当が付きにくくなった」と言うのだった。

新宿区は我が家から見える範囲内では建坪か容積の制限があるらしく、建設中の48階だったかの「東急歌舞伎町タワー」を除けば、11~12階までの低層建築ばかりだ。だが、都内の中心街はそうではないようで、何時も言うことでまるで谷底を走っているかのような錯覚にとらわれるほど、数多くの大型の高層建築ばかりだ。そして晴海通りを抜けて築地に近付くと、人出は一層大規模になって、偽らざる感想を述べれば「彼らは皆3回目のワクチン接種を終えているのか、またはウイルス何するものか」と高を括っているのかと疑ってしまうのだ。

とは言うものの、我々3人は未だ3回目のワクチン接種の効果が薄れていないと信じて、築地の場外で寿司屋の列に並んでみた。そして、行き交う大勢の人々の流れも観察していた。以前とは異なって中国人は見かけなかったが、意外に白人の親子連れなども見かけた。街は全く新型コロナウイルス以前の賑わいだったのには、悲観論者の私は「これでは都内の新規感染者が一向に減らず、第7波の到来が迫っていると警告する専門家がいる訳だ」と思わせられた。正直に言えば「彼らは楽観的すぎるのか、状況の見方が甘いのではないか」なのだ。

場外からは速やかに退散したが、気が付いたことをいえば「以前は5枚で¥1,000だった鮭の切り身は¥1,500と50%の値上がりだった現象。この値上がりにロシアからの輸入に期待できなくなるだけではなく、ノルウエイからの入荷も減少すれば、鮭の切り身は高級ではなかった、高額な食べ物になってしまうのかなどと考えていた。復路も東京見物を楽しみ、90%ほど散ってしまった桜を見て帰宅した。そこで待っていたのは、ロッテの佐々木朗希君の完全試合だった。いや「完全試合進行中」のニュースだった。

私はこの「令和の怪物」などと呼ばれている佐々木君を高校野球の、敢えて言うが悪習である、連投をさせることなく無事にここまで成長する基礎を築いた大船渡高校の国保監督を賞賛したいし、丁寧に指導・育成してきたロッテの井口監督と吉井前投手コーチも「指導者とはかくあるべし」と大いに評価したいのだ。

考えてもご覧なさいで、MLBでは開幕のエンジェルス対アストロズの試合では大谷翔平をアッサリと80球で降ろし、アストロズの監督もヴァルデスも同様の球数で交替させていた。MLBの投手たちは鍛え上げられた大人でも投球数を制限しているのに対して、年端もいかない高校生を彼ら指導者は平気で150球かそれ以上を投げさせ、アナウンサーは言うに及ばず解説者も一言も批判めいたことを言わないのだ。彼らは「練習は裏切らない」などと長時間の猛練習を礼賛する。

だが、日大フェニックスのアメリカのフットボールの強豪大学にコーチ留学した橋詰前監督は、短時間の練習でフェニックスを立ち直らせて、甲子園ボウル出場を果たした。私はスポーツ界とそれに絡んでいるマスコミは、もうそろそろ目覚めても良いのではと思って見ている。ズバリと言えばアメリカ式の合理的且つ科学的な練習法に目を転ずべき時代なのだ。

最後に、昨日は上皇様と上皇后様のご成婚記念日だった。実は私事であるが、我が方もご夫妻から4年遅い4月10日が59回目の記念日だった。思い起こせば、1963年は東京オリンピックの1年前であり、東海道新幹線も開通してはいなかった。



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