新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ語排斥論者のつぶやき

2017-06-26 08:24:25 | コラム
25日はまたもテレビ観戦の一日だった:

受けないだろうと承知の上で言ってみよう。順序は前後するが、日が暮れてから大阪の長居競技場で開催された陸上日本選手権の最終日を見てしまった。ここでもサニブラウン・アブデル・ハキーム君が快走して200 mでも優勝してしまった。このガーナ人の父親を持つと聞く短距離走者の名字が「サニブラウン」だと、先ほどWikipediaに教えて貰った。今後とも我が国にはこういう血筋の優れた運動選手が出てくることだろうと思わせてくれた。

余談だが、ラグビーの全日本代表に「リーチ・マイケル」という元ニュージーランド人がいる。かれは帰化する前までは「マイケル・リーチ」だった。帰化した後は名字の「リーチ」を日本式に「ラストネーム・ファースト」で表示されるようになった。

同時に思ったことは、このようなカタカナだけの氏名が戸籍に登録できるらしいという点である。さらに何も昨夜の陸上だけではないが、近頃多くのスポーツの中継を見ていると、そこに登場する選手たちの氏名にはある傾向が明らかに見えるのだ。それは男子の場合に「~平」、「~太」、「~介か助」、「~翔」か「翔~」か単独で「翔」が圧倒的に多いのだ。勿論、判読不可能なキラキラ系もいる。その家系の伝統の一字を用いたのだろうと思わせてくれる名前は極めて少ない。時代は好ましくない方に変わったと思うのは、私の老化現象か。

女子の場合は勿論キラキラと輝く名前ばかりで「よくまー、そこまで語呂合わせをしたものだ」と感心させてくれる名前の花盛りだ。私には「よくもそこまで漢字を軽んじたものだ」と感心させてくれる素晴らしいものが圧倒的だ。だが、私には「何故そこまで外国人の名前を模する必要があるのか」と腹立たしいのだ。「サラ」だの「リサ」だの「アンナ」なの「ケイト」だのと、国籍不明者が多い。そんなに外国人に憧れたいのか。

名前の他で「困ったことだ」と嘆かせてくれるものに、日本語を無視したカタカナ語の濫用がある。最早「~選手の初登場」はすべて「デビュー」にされてしまった。言うまでもないが”debut”はフランス語で、英語の場合でも「デビュー」でも良いが、アメリカ式では「デイビュー」となり、アクセントは「ビュー」の方におかれているので要注意だ。素直に「初登場」と何故言わないのか。「メジャーデビュー」などと言う訳の分からぬ言葉まで創ったのは何処のどいつだ。

陸上日本選手権ではアナウンサーも選手たちも「自己ベスト」を乱発した。何故素直に「自己最高記録」と言わないのか。「シーズンベスト」などと言う日本語の発想の儘の造語まで聞こえた。NHKは何を考えているのか。国語を乱すつもりかと言いたい。言うまでもあるが、bestは形容詞の最上級であるのだが、カタカナ語の場合は名詞の如くに使われている。蛇足だが、bestの場合にはその前に必ず”the”を付けるのをお忘れなきよう。

ラグビーにも造語が多いが、英語の基本である連結音(liaison)を忘れたか知らない言葉が使われている。「そこまで言うことはないじゃないか」との批判されたことがあるが、「ターンオーバー」=”turnover”は正式には「ターンノウヴァー」に近い発音だ。カタカナ語排斥論者の私には「ターンオーバー」は聞き辛いのだ。でも、日本語として戸籍を得ているから仕方がないと思う。

(相手の)のパスをカットした」も誤りだと思う。アナウンサーがそう言った場合は全て「相手のパスを横取りした」のである。”cut”には「奪い取る」という意味はないが、「短縮する」か「切断する」はある。ここでは難しい言葉の”interception”を使うべきだと思う。なお、これには「インターセプト」というカタカナ語が準備されているが、これは動詞形。実態は名詞の「インターセプション」が正しいと思う。

「難しいことばかり言うなよ」と言われそうだが、正しい英語を覚えて国際人になろうと思えば、これくらいは心得ておくべきではないか。なお、フットボールでも使われている「インターフェア」というのがある。これも”interfere”は動詞形であり、”interference”が正解だろうと思う。我が国では単語の知識が豊富であるが如き方が多いが、名詞と動詞の混同と言うか誤用が多いのが難点だ。

昨夜だったか「足が凄く速いニューヒーローが現れた」と言いたくて「スピードスター」と誰かが言った気がした。”speedster”は「スピード狂」のことである、念の為。「ニューヒーロー」だっておかしい。「新しい英雄が現れた」とでも言えば局内で叱られるのだろうか。ここは日本であることを忘れないこと。



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