新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

佐村河内守問題

2014-02-18 08:56:25 | コラム
ゴーストライターの存在や工房制作があるのに:

言わば佐村河内守は当初は袋叩きにされていた感があった。しかし、彼が全聾者ではなかったと告白する前から、一部のマスコミにはゴーストライターがいたことは何も彼の問題に限らず広く認識されていたのではないか、という議論が出ていた。あそこまで非難されるような悪いことだったのかというような論調である。ま、現に「ゴーストライター」という言葉が存在している。

私は1990年代にある大手出版社の編集に携わっていた人物から、「某有名推理小説作家の作品がある時期から面白くなくなったのは、彼の事務所のスタッフが各人が書くべき筋立てを割り当てられて代筆しているからだ」と聞かされて、そういうこともあるものかと思ったことがあった。余りにも自分の日常生活から遊離した世界の話しだったので、それ以上の興味を感じなかった。

しかし、今回の佐村河内問題では不勉強にしてそういう作曲家がいたことすら知らなかったが、マスコミの論調に刺激されて彼が悪者であるかのような捉え方をしていた。そして、新垣隆という方が代筆していたと名乗って出てきたことの印象が非常に強烈だった。彼はこれまでにこの世にはゴーストライターがいることは公然の秘密だったようだったのを、そういう存在があることを周知の事実にしてしまったと思った。

その辺りまで考えたところ、90年代に聞かされた事務所の人たちが書いているという話しを思い出した。そうならば佐村河内守が新垣というゴースト・コンポウザーと組んでいたことはそれほど悪かったのかなと言う気もするが、全聾者を装った演出などは決して良いことではなく、その辺りを責められても仕方がないのだろうと考えている今日この頃である。


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