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新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月16日 大谷翔平に思う事

2023-12-16 08:46:16 | コラム
「Dodgersへの移籍万歳」だけで良いのかな:

昨15日の朝8時から、大谷翔平のDodgers移籍を祝福する報道一色である。私も「一件落着して良かったな」とは思うし、アメリカで(野球界とそのファンとマスメディアに)あそこまで褒め称えられるだけの存在になって見せた彼は非常に偉いと思う。だが、アメリカを(普通の方々よりもと自負する)良く知ってしまった悲観論者の私に言わせれば「それで良かったのかな」という心配な点はあるのだ。それらの点を取り上げていこうと思う。

*肘の手術後:
日本時間の昨日、大谷は「順調に回復しつつあり、既に素振りの練習まで出てきている」と語っていた。さらに「来年の9月頃には実戦的バッテイングの練習では投球も出来そうだ」とも報じられた。簡単に心配な点を言えば「『急いては事をし損じる』にならねば良いが」と懸念しているのだ。

何しろ「史上最高」の契約金で非常なる期待感で入団するからと言って「金額に見合うだけの成績を上げないという思いで自分を駆り立ててはならないのでは」なのだ。アメリカの社会通念では「年俸に見合うだけの成績を挙げないと、アッサリと大幅減俸や鶴首が待っているし、それに抵抗する者など先ずない」のである。大谷翔平が無事に1015億円(昨日は$1=¥142で992億円になったが)に見合う活躍が出来るようにと祈るだけだ。

*Dodgers首脳陣とマスコミの大歓迎振り:
あの記者会見で見せた球団の首脳部の極めて丁重で丁寧な歓迎振りに誇張はないだろうとは思う。だが、長年彼らの中で過ごしてきて学んだことは「彼らの我が国の文化とは全く異なる社交性の高さと社交辞令の上手さ」である。言うなれば、催し事(カタカナ語では「イベント」だ)を豪華絢爛に演出する上手さと、解りやすく言えばお世辞の上手さは、我が国では考えられないほど優れているのだ。

何が言いたいのかと言えば、その演出に遭うと凡人は「ひょっとすると俺は自分で思っている以上に大物なのかなと思い上がってしまう危険性なきにしもあらず」なのである。だが、これまでの大谷翔平の振る舞い方を見ていると、そういう危険性はないと言って間違いないだろう。「彼も人の子だったか」と思うような事態が来ないと期待して良い人物だとみているが。

*リーグが変わって:
来年からは大谷一人を敬遠するか抑えていれば負けないような弱体のティームではない、DodgersのDHになるのだ。Angelsの頃とは違って相手も第一級の投手を当ててくるだろうし、大谷必ずしも手の内を承知している次元には未だない優れた投手たちと当たることになるのだ。大谷のことだから、充分に相手を研究するだろうし、球団のスカウトからも資料を供給されるだろう。

悲観論者が心配する点はといえば「大谷翔平はAngelsで確かにホームランも沢山打ったし打率も3割を残したが、彼はイチローや西川龍馬や大島洋平や近藤健介のような巧い打者ではなく、力と目にも止まらないスゥイングの速さで逆方向にも打っていける打者だ。打てない箇所もない穴が少ない希有の打者だ。

その辺りをナショナル・リーグ投手たちが何処まで研究して攻めてくるかに大いなる興味がある。彼はMLBに移った当初はインサイドに落ちる投球とアウトサイドへのストライクとボールになるスライダー系の投球の出し入れに悩まされていた。昨年辺りはそこに投げてくる投手が少なくなったし、ボール球でもホームランにしてしまう凄味が出ていた、故障上がりで何処までで出来るかが鍵になるのでは。でも期待しよう。

*もしも大谷翔平が高校からアメリカに行っていたら:
「仮定の話にはお答えできない」などと言えば、国会議員の逃げ口上のようになってしまう。マスコミは栗山英樹氏がアメリカ行きを食い止めて、ファイターズで二刀流に育てたと礼賛する。だが、高校から直接にアメリカに行きMLBに合理的且つ科学的な練習法で育てていれば、史上希なtwo-wayの大谷翔平が6年前に出現していたかも知れないと、私は考えるときがある。要するにファイターズの5年間を惜しんでいるのだが・・・。

そう言う根拠は「錦織圭の体格と身体能力をIMGアカデミーでは世界のランキングの上位に入るテニスプレイヤーに育て上げて見せた」例がある。それだけではなく、フットボール界でもIMGの優れた手法で育てられた高校生もいた。大谷がAngelsでどのようなトレーニングで育てられ鍛え上げられたか知る由もないが、あれほどの体格の選手に育てて成績を上げるまでになったような訓練が、我が国でも出来たのかと思うのだ。

仮定の話ではあるが、アメリカ式に早くから育ててあれば、二度も肘の手術をしないでも済んだのではなかったのかなどと、一人で勝手に考えている。「Dodgersのトレーナーとコーチが、大谷翔平の更なる可能性を引き出してくれれば素晴らしいのだ」と期待しよう。


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