新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

我が国の旅行業界の総売上高にインバウンドが占める比率は17%

2020-06-22 08:03:20 | コラム
昨21日で3回目だったが:

昨日、フジの日曜報道に登場された星野リゾートの星野佳路社長が、少なくとも私にとっては聞いたのが3度目となる「インバウンド」が我が国の旅行業界の総売上高全体にに占める比率は17%であると語っておられた。新型コロナウイルスの感染が始まって以来「インバウンドがほとんど消滅したので、訪日外国人観光客に依存してきた観光業界が危機に瀕している」とまことしやかに報道されてきた。だが、星野社長は「そんなことはない」と強調されたのだった。

社長の解説では「旅行業界の19年の総売上高は27.9兆円、その中でインバウンドは4.8兆円であり、全体の17%に過ぎないのだ」と他局で既に2度も指摘しておられたのを私は聞いていた。星野社長の主張は「この他に邦人の邦人の海外旅行で消費している分が3兆円ほどあるので、それを国内旅行に振り向けて貰えるように努力すれば、インバウンドの分が補えるのではないか」という点にあった。私は素直に尤もな指摘であり、主張でもあると思って聞いていた。番組の中では、それは何処の統計化という質問が出たが「政府の日本観光局発表の統計だ」と指摘された。

マスコミ報道では「中国からの観光客が来ないので観光業界も門前町的な土産物やも大変だ」という報道ばかりで、マスメディアであれば当然承知しているべき観光局の統計には一向に触れようとしないのだ。それだけに止まらず、5月は対前年同月比で観光客が△99.9%だったと大騒ぎしてみせる。これは誰が考えても当然のことで、我が国は110の国乃至は地域からの入国を拒否するか制限しているのは公知の事実であり、当然の結果であろう。ここでは「だからマスコミは・・・」という話ではなく、インバウンドが17%だったということを強調したい

終わりに矢張り英語の解説というか、カタカナ語のおかしさに触れておこう。“inbound”という単語に「訪日外国人観光客」という意味はないと既に指摘してあった。これは辞書を見おるまでもなく「入ってくる」か「到着する」という意味である。“outbound”とすれば、反対の意味になるのは当然。思うに、多くの方は何処かで“bound for”という表現を教えられたと思う。これは“This flight is bound for Narita.”のように言えば「当機は成田行きです」となる。序でに、アメリカから我が国に向かってくる船は“westbound”となり、出ていく方は“eastbound”などと言っている。




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