新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「トリチウムを含んだ水」を如何に処理するか

2021-04-13 08:46:23 | コラム
政府は内外に向けて「無害である」と明確に表明すべきだった:

実は、この福島原発の限界に近付きつつある処理水(マスコミも何処も「汚染水」としているが、NHK政治マガジンは意外な事に「トリチウム(三重水素)などを含む水」との表現を用いていた)を如何にして処分するかは永年の課題だったが、菅内閣は海洋に放出する方針のように報じられ、国会でも野党から真意を質す質問があった。

しかし、菅首相は未だ閣議決定もしていないと答えられ、既に全漁連の会長とも会談されていた。会長の最大の懸念は言うまでもなく「放水による風評被害」だったようだ。だが、ここまでの何ら具体的な決定が為されていない段階で、早くも中国と韓国からは非難の声が上がってしまった。私はまたしても自虐的なご注進メデイアの報道の所為だと思って見ている。

中国などは新疆ウイグル地区の民族抑圧の人権侵害を非難するアメリカやヨーロッパの諸国に対してフェイクニュースであり、内政干渉だと直ちに反発して見せた。このような問題を抱えており、自国でもトリチウムを含んだ水を放流しているのでから、我が国は本来ならばマスコミが報道してしまう前に先手を打って「トリチウムを含む水は有害ではないのであり、諸外国の原発では海洋放出しているのであり、我が国はその先例に従ったまでである。異論ありや」くらいの声明を発しておく必要があったと思う。

私はこのような有効な手が打てていない事即ち、我が国の海外に向けての情報発信量の不足の表れではないのかと見ている。先手必勝で突き進むべきだったのではなかったかと言いたいのだ。

このような中国や韓国の悪意に溢れた風評被害に悩まされて苦しんできたのが、福島県の漁連のようだ。そうだと承知していれば、菅内閣は国会で野党に質問される前に「海洋放出を検討するする段階に至ったのは、諸外国で実証されているのと同様に、トリチウムを含んだ水は無害であると証明できるから」との公式見解を発信しておけば、あの二国に居丈高に非難される事を抑えられたのではないかと思うのだ。

私は「トリチウムを含んだ水の中で魚類を育成する実験でもして、早期に無害である証明をすることも出来たのではないか」とも考えている。

我が政府は海外の諸国、就中中国と韓国に対しては「我が国の意志と意向が明確に伝わるような情報を頻繁且つ大量に発信しておくべきではないか」と考えている。そうすることで「風評被害」を事前に食い止めることが少しても可能になっていくのではないかと思うのだ。彼らの悪意に対して「論争と対立を怖れた」善意で対応しないことが肝要だと考えている。



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