新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月25日 その2 大谷翔平が40ー40を達成

2024-08-25 11:01:25 | コラム
「大谷はピッチャーなんです」:

先ほど恒例の「喝」の時間で槇原寛巳がこう言って「忘れないで」と念押しをしていた。「ピッチャーがあれほどの大記録を打ち立てたことを認識して下さい」とも言っていた。確かに、今季はtwo-way(「二刀流」などと言う戯けた表現は断固採らない)ではなくて、投手だけに専念している。片方だけに専念すれば、あれほど出来る選手である事を立証した。

昨日は懸命になってリクルート進学総研の「高校生がブランドと思う大学」の追跡調査をしているところに、二男から「MLBの野球が面白い局面になったから直ぐに見れば」と知らせてきた。何事かと作業を一旦停止してテレビを見に行った。なるほど、Dodgers(ダジャースである)が3対3のままで9回裏、大谷が打席に入ってきたところだった。「8月は調子が下がっている大谷だが、何とかするか確率は50%では」と見ていた。

すると1球目のアウトサイド(「アウトコース」という用語は、支離滅裂で意味を為していない)低目に来たスライダーと見えた投球を掬い上げ気味に打った途端に「行った」と見えた。だが、センターが如何にも捕るつもりで追いかけて、しかも塀の前で飛び上がって見せたのだった。しかし、外野席にいた観衆が取り損なったのかボールはグラウンドに落ちて、ホームランだったと証明。

凄いことに滅多にない「サヨナラ満塁ホームラン」だった。矢張り「大谷翔平という選手は普通の者とは違う『何か』を持っているのだ」とあらためて認識させられた。長男からは何時も「大谷についての評価が厳しすぎないか」と言われている。その通りであるが、厳しい事を言うのは「あれほど超高額の年俸を取っていて、今季のあの程度の成績では、それに充分に見合っているのか」と見ているからだ。

アメリカという国にあっては「報酬と成績は常に見合っているかそれ以上であること」は、当たり前すぎるのであり、私は「社会通念である」とすら理解している。大谷君がその点を認識して懸命にやっているのだと見てはいるが、より高いところを目指して行く必要があると思う。現に、ヤンキースのAaron Judgeにホームランの数で何本離されているかを考えても良くはないのか。(余計なことと言われるのを覚悟で言うとNYYにいるのは「エアロン・ジャッジ」である)

誤解なきよう申し上げておくと、私は大谷翔平の成績を貶しているのではない。彼は立派以上に凄く働いていると思うと賞賛するのに吝かではない。貶したいのはマスコミである。彼等は現在のように「気分爽快」にしてくれるような話題が余りにも少ないので、海外に出て諸々の素晴らしい外国人選手を尻目に大活躍する大谷を(過大になることを怖れず)取り上げて視聴率を確保し、新聞の発行部数低下を避けようと懸命なのだと解釈している。

当方の長年の持論は「マスコミに過剰に持て囃され、持ち上げられた人たち(経営者も政治家もスポーツ選手も)には余り好ましくない結果になってしまった例が多い。しかも、その過剰な賞賛が先方にまで届いて慢心したのではないのが問題だ」と指摘し続けてきた。大谷翔平が史上希に見る凄い素材である事を、私は彼がアメリカに行く前から認めると言っていた。

その素質がアメリカに行って本格的に育ったのであるから、彼が望んで「ヒリヒリした試合が出来て、World seriesの勝者になれるまで、もう少し静かに、可能な限り彼の活躍と成績を讃えていて欲しい」と希望しているだけなのだ。30歳を超えた大谷が来年はtwo-wayに戻って、40―40に加えて20勝でも達成するように、落ち着いて見守ってやって欲しいのだ。


コメントを投稿