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新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

中国の経済に何があったのか

2015-11-02 07:31:03 | コラム
世界最大のインターナショナルペーパーが中国の合弁事業から撤退

アメリカのインターナショナルペーパー(IP)は2005年辺りから「成長性が期待できないアメリカ市場での新規投資をせず、今後は成長が見込める海外に新工場を設けていく」という「経営体質転換」(=Transformation plan)と呼称した大方針転換を実施した。その一環として中国山東省に太陽紙業(現山東太陽ホールディングス)と白板紙の合弁事業を2006年から開始していた。その後事業を拡張して現在の年産能力は140万tonという大規模である。

白板紙とは食品・薬品・化粧品等用の紙器(綺麗な印刷が施され通常裏面が白色である)と牛乳やジュース等のパックに使用される厚紙のことと思って頂きたい。中国は簡単に言えばかかる分野では後進国だったので、IPならずともその巨大な人口を思う時に成長性を期待したのも何ら不思議ではないだろう。現に当初の年産能力はマシン1基で40万tonだったものが、私などが知らぬ間に4基で140万にまで拡張されていたのだった。

しかし、紙パルプ業界人ならずとも中国市場に進出して輝かしき実績を挙げていくことがどれほど難事業かは承知しているはずだ。私は中国とアメリカの力関係や「世界最大」との看板が何処まで効果を発揮するのか知らないが、秘かに「IPは危ない橋を渡り始めてしまったのではないか」と考えていたことすらあった。

そこに紙業タイムス社の週刊誌”FUTURE”第1799号に掲題の記事が出ていたのだった。撤退の具体的根拠は述べられていなかったが「2015年4~6月期にIPは太陽との合弁事業で2億2,200万ドルの売上高と△900万ドルの損失を計上。売上高は前年同期比で12%減少した。一方、アジア産業包装部門の売上高は同△3%の1億4,900万ドル、損益は△200万ドルの赤字となった」と記載されていた。IPにとっては撤退の十分の理由だろう。

IPの対処法としては「IPは10月8日、1億4,900万元または2,300万米ドルの現金をアイボリーボードの合弁事業株式55%と引き換えに受領した。次いで4億ドルの未払い金を貸借対照表から除却する。この取引は向こう6ヶ月間に完了の見込みだが、中国政府の承認を含めた合弁事業解消条件の合意が課題として残っている。」と記載されていた。私はこの最後の中国政府の承認云々が大きな案件になった例が多いと聞いているが。

私にはこれ以上のことを述べる知識も経験の持ち合わせはない。だが、世界最大の看板を以てしても中国から撤退というところまでに行った辺りに、中国に生産現場を移すこと如何に難事業かが明らかになっていると思うのだ。

IPはこれまでに南米やロシア等に進出して行き、アメリカ本土ではほとんど製紙事業を残さずに2005年以前に売上高も利益の維持してきた立派な会社だが、此処では撤退となった辺りの教訓を我が国に巣くう媚中派に聞かせてやりたくて、この話題を採り上げた次第だ。


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