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新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

和と洋の諺が面白い

2025-04-28 06:57:44 | コラム
日本語と英語の諺を対比してみると:

日本語と英語の諺を対比してみると「これほど巧みな和訳と英訳が他にあるだろうか」と思わせられた。日本語が先だったのか英語が先か解らないが、言うなれば「これほど絶妙な意訳をした先人は偉いな」と感心したのだった。なお、英語では諺を引用する時の決まり文句は”There goes an old saying that seeing is believing.”(=百聞は一見に如かず)のように言う。

以下に思いつくままに例を並べていこう。

「急がば回れ」と「急いては事をし損じる」⇒Haste makes waste.
解説)上手いなと思うが、haste=「急ぐ事、性急」という抽象的な概念を主語に持ってきたところが凄いと思った。

「去る者日々に疎し」⇒Out of sight out of mind.
解説)巧みな意訳だと思ったが、動詞がないところが凄い。

「溺れる者は藁をもつかむ」⇒A drowning man will catch at a straw.
解説)「何だ、そのまんまじゃないか」と思ったが、文法では「“at”の使いかたに注目せよ」なのだそうだ。ただ単にcatchするのではなく「掴みかかる」という動作を表している熟語になるとか。

「鉄は熱いうちに打て」⇒Strike while the iron is hot.
解説)Make hay while the sun shines.=「日が当たっている間に草を干せ」でも良いのだが、両方とも「好機を逸するな」と「思い立ったが吉日」という意味になる。どっちが意訳なのだろうか。

「早起きは三文の得」⇒The early bird catches worm.
解説)似たような着想だが、一方は「得」で片方は「幼虫」なのが面白かった。

「一寸の虫にも五分の魂」⇒Even a worm will turn.
解説)「どのような小さな相手も侮るな」という意味なのだが、英語を上手く日本語の諺に当て嵌めた気がする。

「盗人にも三分の理」⇒Even a thief has reasons.
解説〕英語を母国語とする人たちも同じように考えていたと分かる。Even the thieves have reasons.と複数にしているのもある。

「我田引水」⇒Every miller draws water to his own mill.
解説)男性の代名詞が出ているところが面白い。かの国も男社会のようだ。

Every coin has two sides.⇒「全ての物事には裏と表の二面性がある」
解説)彼等アメリカとヨーロッパ人たちの2進法的考え方が表れていると思う。彼等は動もすると「良い事があれば、その裏側に何があるかを疑問視する傾向がある」のだ。

Better late than never.⇒「遅くなってもやらないよりは増し」
解説)これは「我田引水」と言えるかも知れぬ私が好む慣用句で、諺の範疇には入らないかも。「読んで字の如し」だ。