新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「陰謀論」を考えてみれば

2023-01-13 08:16:45 | コラム
中国の真の狙いを先読みすれば:

本日は13日の金曜日だが、それを云々するアメリカでは“TGIF”=“Thank God. It’s Friday.”などと言って、週末が来た事を神に感謝するのだ。所で、昨12日のPrime Newsには「陰謀論」(中央公論新社刊)の著者にして京都府立大学准教授・秦正樹氏が登場して陰謀論を語っておられたので、超後期高齢者は9時過ぎまで寝てしまわないように懸命に堪えて拝聴していた。なお、この番組は対談形式で日本大学危機管理学部の先崎彰容教授が出ておられた。

司会の反町理が纏めていた「陰謀」とは「何か出来事があると、その事が生じた裏に潜む何かがあると考える事を言うのだ」だったと思う。前置きばかりになってしまったが、この考え方に従って、この度中国政府が我が国と韓国に対して露骨に入国を禁止するヴィザ発給停止措置の挙に出た、その裏どころか表にあるのではと言いたくなる本当の狙いを考えてみた。

私には中国は非常に露骨にというか読みやすい形で「彼らが本当に狙っている事が見えた措置ではないか」と思わずにはいられなかった。先走って中国の究極の狙いを読んでみれば「台湾有事どころか台湾を最悪の場合に破壊してまでも自国の領土にして、韓国には旧倍の圧力をかけて屈服させ、地政学的にも朝鮮半島をも領土化し(DPRKはそもそも自国の一部の積リだろう)、日本をも属国化すれば、太平洋を二分してアメリカと分かち合える」となる。

私が永年危惧している事とは中国は「我が国は未だに平和憲法の第九条を頑なに守っていれば安全安心と信じている国」なのだから、軍事的には抵抗力に欠けるので、容易に落とせる」と見込んでいるだろうし、また既に元産経新聞の論客が「ステルス侵攻されている」との趣旨の本を上梓したほど、あちこちに見えざる手を使って中国資本が浸透しているではないか。我が国は法的にも無防備すぎるのだ。

それだけではなく、暫くなりを潜めていたかと思わせていた小池百合子東京都知事は事もあろうに、「その80%を中国からの輸入に依存していると認識されている太陽光パネルを都内の新築の戸建て住宅に設置する規制」を設けてしまった。事がここまでに至れば、何も苦労して裏まで読んで「陰謀」があったと指摘するまでもあるまい。ステルス侵攻どころか3歳の幼児にも見える侵略のあからさまな手段ではないかと思わせられた。

当方は裏を読んで「陰謀か」と探ろうとする前に悲観論者なので、我が国とその政府は中国に対して余りにも善意で物事を解釈しているのはないのかと不安に陥るのだ。今週辺りには漸く「台湾有事となれば、我が国にも実害が及ぶ」などという事を言い出す報道機関があったが、それだから「有事」と故安倍晋三元総理が言われたのだろうと笑いたくなった。

ロシアがあれほど露骨に自国の意図をむき出しにしてウクライナに侵攻し、NATOと西側諸国に対する橋頭堡を地理的にも拡大しようとしている事を見れば、そのロシアと手を結んでいる中国が何を考え、具体的に何をしようと企んでいるかくらいは「陰謀」どころか「陽謀」だろう。私にはロシアはウクライナを「焦土」と化す事を厭わずミサイルでも何でも撃ち込んでいるとしか見えないのだ。

あのロシアの無差別攻撃振りを見れば、中国もあの手法に倣って「台湾を奪う為には高度に発達した最先端の半導体等の工業生産力を破壊するのも辞さず」との陰謀があるのかと思ってしまう。更に悲観論を展開すれば、彼らは世界第3の経済大国の工業力を属国化で手に入れようというのではなく、ただ単に太平洋岸に面した台湾と同様に地理的に収奪しようとしか考えていないのかと、独り密かに疑って憂いているのだ。

ここまで来て心から願っている事がある。それは他でもない「上記の事柄は単なる超後期高齢者の戯言であり、遠からぬ将来に杞憂であったと証明される事」
なのだ。岸田文雄内閣総理大臣様、何卒宜しくお願い致します。