新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月27日 その2 また今日もカタカナ語論

2018-06-27 08:04:33 | コラム
ハプニングって何のこと:

実は、家内に「ハプニングって何のこと。テレビで始終使っているけれど。先ほども日本のW杯代表が負けていないのはハプニングだと言っていたが」と訊かれたのだった。そう言われて考えて見れば、この言葉はこれまでに批判していなかった。テレビというかマスコミは「(予期せぬ)出来事か、一寸した事件」のような意味で使っているとは考えていた。正直なところ、在職中には使った記憶もなく、深く考えずに見逃していたと思う。

だがしかし、なのである。この単語はジーニアス英和でもOxfordでも「通常は複数形で使う」となっている。この辺りが日本語と英語の相違点の中で最も厄介なところだだと認識している。即ち、我が国語には「複数形」の概念が一般的ではないので、英語とやらを勉強する時にどうしても等閑になってしまうのだ。例えば「お目出度う」は屡々「コングラチュレーション」として使われてしまっている。だが、英語では Congratulations! のように複数形で言う。同様に「弔意」を表す condolence も複数形にするのだ。

ハプニングも複数形で使うとあるように、Oxfordの例文は There have been strange happenings lately. とあって、単数形ではないものが出ていた。だが、カタカナ語製造業者は躊躇うことなく「ハプニング」と単数形にして「出来事か事件」を表すようにしてしまった。因みに、ジーニアス英和の例文は the happenings of the day で「その日の出来事」という訳まで付けてあった。

最早、何か批判めいたことを言う気力もないが、我が国の英語教育ではこういう微妙な点をキチンと教えておけば、こういうカタカナ語は生まれてこなかったのではないかと考えている。それよりも何によりも「何故、カタカナ語ではなく、素直に出来事という言葉を使わないのか」とテレビ局に訊いてみたい。


サッカーの報道に物申す

2018-06-27 07:35:10 | コラム
点を取る者が偉いのではない:

W杯サッカーも佳境に入り、各テレビ局はサッカーまたサッカーで忙しいようだ。サッカー経験者としては大いに結構だとは思うが、どうしても気に入らない偏向報道振りがある。それは「点を取ったか乃至はゴールを決めた者が偉いのだ」というような報道の仕方で、ストライカーか点を取るポジションに配置された者が偉いかのように過剰に賞賛することだ。かかる姿勢は偏見とまでは言わないが、組み立て役の者に対してはやや不公平だと思う。

現時点では何処で誰が選んだか知らないが、柴崎岳が2試合の実績で優れた選手として選ばれたようだ。その根拠が「セネガル戦で1点目を取った時の左前方を走っていた長友に出したパスが良かったことが示すように、組み立てが優れている点」にあったようだ。テレビ的にはあの後にシュートを決めた乾が英雄扱いだったが、あのパスは素晴らしかったし、それを脚を伸ばしてインステップでトラッピングした長友の技術も素晴らしかった。即ち、柴崎と長友が組み立てた得点なのである。

私が主張したことは「中盤だろうと何処だろうと、ボールを持った瞬間に相手デイフェンスの何処か空いているか、または味方の誰が何処でフリーになっているかまたは走っているかを見極めて、如何なる種類のパスを蹴れば得点に直結するか、または絶好の機会になるかの役目を担当する者の存在を忘れられては困る」なのである。例えば、大迫のような者は最初から「決めること」が役目であるのだから、決めたことを特に賞賛する必要などないとすら考えている。

サッカーでそういうポジションを経験された方はお解りだと思うが、自分が判断して出したパスが上手く行って、ストライカーとして期待されている者が決めてくれた時の快感は何物にも代えがたいのである。その局面で如何なる種類のキックでどの辺りを目指すかを瞬時に決めねばならぬ難しさはあるが、その辺りにゲームを組み立てる醍醐味があると思っている。と言うのも、かく申す私は40歳台になってから四十雀のクラブに入ってからは、その組み立て役に専念していたのだから言うのだ。

勿論、サッカーでは相手のデイフェンスをかわして豪快にシュートを蹴り込んで得点するのも快感である。これも経験して見ないことには味わえない楽しみである。会社組織でもそうだが、何かを成し遂げる為には構成員全員に割り当てられた任務がある。柴崎はパスを出して点を取る組み立て役であり、大迫はシュートを決める役目を担当しているという具合だ。それぞれの役割を果たして結果が出るというの世界だ。

放送するか報道する側は、上記のような視点からサッカーを見た上で偏ることなく報道して貰いたいと思っている。その意味では柴崎が選ばれたことは素晴らしいと評価したい。念の為に申し添えておけば、我がご贔屓の香川真司も組み立て役だと認識しているのだが。