298の2『自然と人間の歴史・世界篇』熱力学のミクロ的立証(19世紀、ボルツマン)
ルーヴィッヒ・ボルツマン(1844~1906)は、オーストリアの物理学者だ。
帝室財務書記官の子としてウィーンに生まれる。少年期をウェルス・リンツで過ごす。
ウィーン大学で物理学を学ぶ。1866年に同大学を卒業後、シュテファンのもとで助手となる。
1868年には、グラーツ大学教授となる。その後、ハイデルベルク、次いでベルリンで客員教授として過ごす。
1873年からは、ウィーン大学を皮切りに、グラーツ、ミュンヘン、ライプツィヒの各大学の教授を務める。
ルーヴィッヒ・ボルツマン(1844~1906)は、オーストリアの物理学者だ。
帝室財務書記官の子としてウィーンに生まれる。少年期をウェルス・リンツで過ごす。
ウィーン大学で物理学を学ぶ。1866年に同大学を卒業後、シュテファンのもとで助手となる。
1868年には、グラーツ大学教授となる。その後、ハイデルベルク、次いでベルリンで客員教授として過ごす。
1873年からは、ウィーン大学を皮切りに、グラーツ、ミュンヘン、ライプツィヒの各大学の教授を務める。
その彼がもっとも力をいれたのは、熱力学であったろう、そんな中での、史上名高い「ボルツマンの二大偉業」の一番目は、エントロピー増大を分子・原子レベルで示した「H定理」と記される。
二番目は、同様のレベルでエントロピーの統計力学的解釈を与えた「ボルツマンの原理」として残る。
これら二つは、宇宙のエントロピー、すなわちエネルギーを質であらわした状態量は、最大値(この場合は質の劣化・乱れの度合い)に向かって増大する」との熱力学第二法則を記述したものだ。このことは、熱の形になったエネルギーは、電気などに比べて質が低く、仕事に変えて取り出すのがなかなかに難しいのが指摘されている。
ちなみに、熱力学第一法則では、「宇宙のエネルギーは一定である」としている。もしくは、「エネルギーは、さまざまな形態に変化することはあっても、その総量はつねに一定である」とも言い慣わされているこの法則だが、例えば、こんな風に説明されている。
「密閉されたピストン付きの容器を温めます(上図のイラスト)。すると、中に入っている気体分子の運動エネルギーが増し、その分、気体の温度が上昇します。さらに、温められた空気は膨張し、ピストンを押しだします(外部への仕事=外部にエネルギーを与えること)。熱力学第一法則によると、増加した気体分子の運動エネルギー(ΔU(デルタ))と、ピストンを押しだす際に外部にした仕事(W)の合計は、加えられた熱エネルギー(Q)の量と一致します。これが熱力学第一法則(Q=ΔU+W)です。」(雑誌「ニュートン」ニュートンプレス2018年12月号)
この分野において最も流布されていることでは、分布関数の時間的変化を与えるボルツマン方程式を発表する。
「密閉されたピストン付きの容器を温めます(上図のイラスト)。すると、中に入っている気体分子の運動エネルギーが増し、その分、気体の温度が上昇します。さらに、温められた空気は膨張し、ピストンを押しだします(外部への仕事=外部にエネルギーを与えること)。熱力学第一法則によると、増加した気体分子の運動エネルギー(ΔU(デルタ))と、ピストンを押しだす際に外部にした仕事(W)の合計は、加えられた熱エネルギー(Q)の量と一致します。これが熱力学第一法則(Q=ΔU+W)です。」(雑誌「ニュートン」ニュートンプレス2018年12月号)
この分野において最も流布されていることでは、分布関数の時間的変化を与えるボルツマン方程式を発表する。
S = k logeW
ここにSはエントロピー、Wは「マクロ的な一つの状態に対応するミクロな配置の数」、そして比例定数kはボルツマン定数と呼ばれる。それぞれの意味合いについては、米沢富美子「人物で語る物理入門(上)」岩波新書、2005を推奨したい。
これに示されるような分子運動論の下りでいうと、時代の先駆けゆえの周囲の無理解に悩んでいたという、加えて、論敵との応酬に疲れ果てしまう。
つまるところ、原子の存在が実験的に証明される少し前、ボルツマンは自殺してしまう。そのおりの自らの思いは、どのようであったのだろうか、ウイーンにあるボルツマンの記念碑には、かかるボルツマンの原理が刻まれ、現代物理学への橋渡しを成し遂げた天才の、ゆるぎなき業績を讃えているとのこと。
これに示されるような分子運動論の下りでいうと、時代の先駆けゆえの周囲の無理解に悩んでいたという、加えて、論敵との応酬に疲れ果てしまう。
つまるところ、原子の存在が実験的に証明される少し前、ボルツマンは自殺してしまう。そのおりの自らの思いは、どのようであったのだろうか、ウイーンにあるボルツマンの記念碑には、かかるボルツマンの原理が刻まれ、現代物理学への橋渡しを成し遂げた天才の、ゆるぎなき業績を讃えているとのこと。
それまでの熱のマクロ的相互相互関係の究明、人名でいうとカルノー、ジュール、ケルビン、クラウジウスなどといった第一、第二世代の貢献の基礎の上に、原子や分子のレベルを明らかにしようと試みる。
(続く)
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(続く)
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