ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

源氏:桐壺(04)この御子三つに

2014年01月09日 | 七五調 源氏物語



この御子三つに
    ―袴着はかまぎ後に桐壺更衣こうい病む―



生まれし皇子みこも 三歳みつとなり

袴着はかまぎ儀式 第一いち皇子みこ
負けず 劣らず 豪華にて

貯蔵 宝物 総出しの
みかどご意志の 盛大さ

世人よひとそしりの 声あれど
皇子みこ容貌かんばせ 心映こころば
比類ひるい無きにて おのず止む

またの世人よひとは 目見張りて
うっとり ばかり 言うことに

「未だわれ見ず く如き
 人の俗世このよに 生まれを」


                          【袴着】
                           幼児から少年への成長を祝う儀式


この年夏に 桐壺更衣こうい病み
実家さとまかり出を 願い
みかどならじと め置かる

病勝やまいがちなは 常と見て
しばし様子」の 仰せぞも
日に日病患わずらい 重み増し
五、六日に 重篤じゅうとく


桐壺更衣こうい母君 泣く泣くに
みかど願い出 退出まかで許可

退出まかで当たりて 共に
如何いかおとしめ 皇子みこ及び
災禍さいか受くやと め置きて

人目しのびに で給う








とどめ置きたき 思えども
あつきを 宮中に
置いて 置けぬは 道理にて

更衣こうい身分に ありしかば
見送り さえも ならぬ身を
 し思えど 定めにて