ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

源氏:桐壺(03)畏(かしこ)きお陰をば

2014年01月06日 | 七五調 源氏物語



かしこきお陰をば
   ―重なるいじ桐壺更衣こういにと―







みかど庇護ひごを 一身に
受けるに増して 桐壺更衣こういをば
おとしめなして あら探す
ひとの多くに なるにては

弱き 身なるの 更増すに
寵愛ちょうあい無くば 斯くもやと
勿体もったい無きに 悩み為す

桐壺更衣こうい部屋なる 桐壺は
宮の東北うしとら 北の端

みかどお渡り かよ
数多あまた部屋なる 女御にょうごらの
なき通いの 胸つぶ
そねふくれも うべなりし

しに桐壺更衣こうい こたえ行く
通い 度々 なるにつれ
打橋うちはしなるや 渡殿わたどの
通り道なる 此処ここ彼処かしこ
不浄なる物 き散らし
送迎人おくりむかえの 衣裾ころもすそ
耐え難 きにの 台無しに

                     打橋】
                      殿舎と殿舎の間に渡した板の通路
                     渡殿】
                      寝殿造の建物と建物とを繋ぐ屋根のある廊下
































またもある時 け無しの
馬道めどうを行くに 双方で
示し合わせの 戸ふさぎで
きまり悪 きに 困らせる

重なるいじめ 苦しみに
悩みわずらう 桐壺更衣こういをば

みかど不憫ふびんと 思い為し
宮中 殿舎 我が住まう
清涼殿せいりょうでんの すぐ脇の
後涼殿こうりょうでんに 住む更衣こうい
追いり部屋を 与えしに
元更衣こうい恨むは 一入ひとしお

                     馬道】
                     殿舎の中を貫通している長廊下
                     元々は殿舎と殿舎の間に厚板を渡した通路、馬を中庭に入れるときに取外せる簡単な物
                     清涼殿】
                     ・内裏の殿舎の一つ
                     ・帝の日常の居所