ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

訳してみよう万葉集(50)笹の葉は

2012年05月07日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その50>

●題材歌

ささの葉は み山もさやに さやげども 我れは妹思ふ 別れぬれば

                        柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻二・一三三)


●現代訳

①今通っている山中の笹の葉に風が吹いて ざわめき乱れていても わが心はそれに紛れることなくただ一向ひたすらに 別れて来た妻のことをおもっている

②山路を歩いて行きますと 笹の葉に風が吹いて さらさら音を立ててさわいでいますが その音にまぎれもしないで私は妻のことを思いつづけています

③笹の葉はこの山にさやさやと音を立てているが 私はただ別れて来たいとしい人を思いつめている

④笹の葉は山路にみちてざわざわと風に鳴っているが 私の心は一途に妻を思う。今や別れて来たので

⑤笹の葉はみ山全体にさやきやとそよいでいるけれども、私はただ一筋にあの子のことを思う。別れて来てしまったので。

⑥山一面に生えた笹が お山もとよむばかりにざわめくが その音にも紛れないで わたしは妻を思う 別れて来たのだから

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《笹の葉が ざわざわ揺れる わびしいに 別れ来た児で 胸一杯あふれそやのに》

さあ あなたの訳は 如何ですか?

さて <その49><その50>を「万葉歌みじかものがたり」にすると・・・

【靡けこの山】へ