ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

訳してみよう万葉集(32)楽浪の

2012年02月09日 | 訳してみよう万葉集
■訳してみよう万葉集■<その32>

●題材歌

楽浪ささなみの 志賀の大わだ よどむとも 昔の人に またもはめやも
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻一・三一)


●現代訳
①近江の湖水の大きく入り込んだ処 即ち大曲おおわだの水が人恋しがって 人懐かしく 淀んでいるけれども もはやその大宮人等に逢うことが出来ない

② ―

③志賀の海の入り込んだ大曲よ。それがこのように 人待ち顔に淀んでいようとも 昔やってきて遊んだ貴人たちに 二度と逢えるものか 逢えはしないのだ

④楽浪の志賀の大わだに 水は昔ながらにたたえられているにしても 昔の人にまた逢うことはあろうか

⑤楽浪の志賀の〈比良の〉大わだよ、お前がどんなに淀んだとしても、ここで昔の人に、再びめぐり智うことができようか、できはしない。

楽浪ささなみの志賀の入江は流れることなく淀んでいても 昔の人に再び逢うことができようか できはしない

⑦ ―

①斎藤茂吉<万葉秀歌>
②森岡美子<萬葉集物語>
③山本健吉<万葉秀歌鑑賞>
④中西 進<万葉集・全訳注原文付>
⑤伊藤 博<万葉集・現代語訳付き>
⑥日めくり万葉集
⑦植田祐子<超訳万葉集>

これらを踏まえて 私はこう訳しました。

《淀み水 今もあるのに せんいで 昔の人に 逢うことうて》

さあ あなたの訳は 如何ですか?