ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

坂上郎女編(15)うちが頑張り 精出しせんと

2011年06月09日 | 坂上郎女編
■平成23年6月9日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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天皇おおきみの よすが通じて 大伴の 家の栄えを 成し遂げみたい

橘を 屋前やどおほし 立ちてゐて のちゆとも しるしあらめやも
《高級な 橘庭に 植えたんで 上手じょうず育てな 悔いが残るで》 
吾妹子わぎもこが 屋前やどの橘 いと近く ゑてしからに 成らずはまじ
貴女あんたはん 植えた橘 うち身近 きっと一緒に 実のらせましょや》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻三・四一〇~一〉 
木綿畳ゆふたたみ 手向たむけの山を 今日けふ越えて いづれの野辺のへに いほりせむ我れ
木綿布ゆうぬのを 畳み手向ける 手向け山 越えて泊まりは どこの野辺やろ》 
                         ―大伴坂上郎女―〈巻六・一〇一七〉 

あしひきの 山にしをれば 風流みやびなみ 我がするわざを とがめたまふな
《山里で 無粋ぶすいな暮らし してるんで つまらんもんで 御免なさいね》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻四・七二一〉 
にほ鳥の かづ池水いけみづ こころあらば 君に我が恋ふる こころ示さね
《にほ鳥の もぐる水さん 知ってたら うちの気持ちを 天皇きみに伝えて》
よそに居て 恋ひつつあらずは 君がいへの 池に住むといふ 鴨にあらましを
《宮中の 外で恋しと 思うより 天皇きみ住む池の 鴨なりたいな》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻四・七二五~六〉 

大夫ますらをの 高円山たかまとやまに めたれば 里にる むざさびそこれ
狩勇士ますらおが 高円山で 追うたので 里逃げりた むささびやこれ》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻六・一〇二八〉 



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